エル・スール

 『エル・スール』(西: El sur、英: The South) は、1983年のスペイン映画(ドラマ)。監督はビクトル・エリセ。
エリセ監督にとって2作目の長編であり、アデライダ・ガルシア・モラレスによる同名の短編小説を原作としている。当初、この映画の上映時間は3時間の予定だったが、プロデューサーのエリアス・ケレヘタが後半部90分の上映を許さず、上映時間95分の映画となった。1983年のカンヌ国際映画祭に正式出品された。1996年、スペイン映画生誕100周年を記念して映画製作者と映画評論家によって行われた、歴代最高のスペイン映画を決める投票では、この作品が第5位にランクインした。

     あらすじ

 この映画は、スペイン北部のどこかで暮らす少女エストレーリャ(ソンソーレス・アラングレン)の物語である。エストレーリャは、父親アグスティン(オメロ・アントヌッティ)が文章に隠したらしき、「南部」の秘密に興味をそそられる。彼女が幼い頃、父親は謎めいた人物だった。やがて成長すると、かつて父親に恋人イレーネ(オーロール・クレマン)がおり、父親はまだイレーネを愛していることに気が付く。