鮫




 サメ(鮫)は、軟骨魚綱板鰓亜綱に属する魚類のうち、鰓裂が体の側面に開くものの総称。鰓裂が下面に開くエイとは区別される。2016年3月末時点で世界中に9目34科105属509種が存在し、日本近海には9目32科64属130種が認められている[1]。世界中の海洋に広く分布し、オオメジロザメなど一部の種は汽水域、淡水域にも進出する。また、深海性のサメも知られている。
 体の大きさは種によって異なり、最大のジンベエザメ(体長およそ14m)から最小のツラナガコビトザメ(体長22cm)までさまざまであるが、平均的には1 - 3mのものが多い。サメを意味する言葉として、他にワニ(鰐)やフカ(鱶)が使われることもある。詳細は、下記#神話におけるサメ参照。

   概要
                                                                
 サメは「獰猛で危険な生物」というイメージが強く、人を殺傷する被害も起きているが、人に危害を加えるおそれのある種は20 - 30程度とされ、サメ類全体の1割ほどである。中でもホホジロザメやイタチザメなどに代表されるような鋭い歯と力強いあごを持つ種は特に危険で、沖合で船が沈没することによって襲われるケースもある[2]。まれに海水浴場など人のいる沿岸域に危険なサメが現れると、安全のため遊泳禁止の区域・期間が設けられたり、サメよけネットが張られたりする対策が講じられる。
 オーストラリアではサメの間引きも行われており、賛否両派が対立している[3]。サメには個体数が減少していたり、絶滅の危機に瀕していたりする種もあるが、鯨に比べ保護はあまり進んでいない。詳細は本記事の#保護の項目を参照。
 サメの起源は約4億年前の古生代デヴォン紀に遡る。最初のサメは浅い海で進化したといわれている。サメは淡水との親和性が高く、今も淡水湖などでとれることがある。古生代後期の石炭紀になると、さまざまなグループが現れた。古生代に現れたサメの多くは、石炭紀からペルム紀にかけて絶滅し、現代のサメの原型は中生代に現れたといわれる。サメは出現したときにはすでに現在とほぼ同じような姿をしており、以来あまり大きく変化しておらず、生きた化石と呼ばれることもある[4]が否定説もある[5]。 エイ類は、ジュラ紀にサメの一部から派生し進化したと考えられている。そのため、カスザメのようにエイ類とほとんど区別がつかないような種も存在する。現代型のサメの多くは白亜紀に原型ができ上がり、新生代に現代型のサメが世界中の海に放散して種類を増やし、特にメジロザメ類が繁栄したと考えられている。サメは多様な環境に適応したために、その生態は非常に多岐にわたる。サメ類の性質については軟骨魚類の項目も参照のこと。尚、同様に数億年間そのままの形態でいる生き物にゴキブリやワニがいる。
 従来の定説では、魚類はもともと軟骨であり、それが硬骨に進化していき、サメやエイなどの軟骨魚は進化しないまま現在に至るとされる。しかし、顎を持つ生き物全ての祖先に当たる生き物は、硬骨に近い骨を持っており、サメやエイは深海での捕食に特化するために、定説とは逆に硬骨から軟骨に進化したとする学説もある。その説を補強する化石なども発見されている[6]。
 「サメ」の語源は諸説あるが、その体のわりに目が小さいことから、小さい目→小目→サメとされる説がよく知られている。また、同様の理由で、狭い目(狭い眼)→狭目(狭眼)→サメという説もある。


 
   食性

 肉食性の種が多いが、魚類でも最大級の部類であるジンベエザメやウバザメはプランクトン食性である。
 肉食性の種は魚介類を中心に、海産哺乳類、海産爬虫類、海鳥などを獲物とする。大きな獲物を狙うものでは、人間がアザラシなどの獲物と間違えられることがあり、人食い鮫と恐れられる[11]。サメから見てダイバーが騒々しい存在に映ることが多い一方で、サーファーは下から見るとアザラシと酷似しており襲われる危険性が高いとされている。海底に生息し貝などを狙う種はおとなしく、人が攻撃を受けることはほとんどない。
 ジンベエザメやウバザメは歯が小さく、口を開けながら泳ぎ、海水と共に飲み込んだプランクトンをえらで濾過して食べる。このような摂食行動はマンタ(オニイトマキエイ)などにも見られる。
   (Wikipediaより)




                     ジョーズ 1975年




 『ジョーズ』(Jaws)は、スティーヴン・スピルバーグ監督による1975年のアメリカ映画。原作は1974年に出版されたピーター・ベンチリーによる同題の小説(日本では早川書房から1975年に刊行 ASIN B000J953D6)。
 平和なビーチを襲う巨大人食い鮫(ホオジロザメ)の恐怖と、それに立ち向う人々を描いた作品である。スリラー映画、ホラー映画、パニック映画など様々なジャンル分けがなされる。スティーヴン・スピルバーグの名前を全世界に浸透させた一作である。スピルバーグの作品では珍しく子供が死ぬ描写がある。
 第48回アカデミー賞で作曲賞、音響賞、編集賞を受賞した。




         あらすじ

 アメリカ東海岸に位置する海辺の田舎町アミティの浜辺に、若い女性の遺体が打ち上げられた。町の警察署長ブロディは死因を「鮫による襲撃」と断定、ビーチを遊泳禁止にしようとするが、夏の観光で成り立つ町の有力者はこれを拒否する。この対応の悪さから、少年が第2の犠牲者となってしまう。
少年の両親が鮫に賞金をかけたことで事態は公となり、アメリカ中から賞金目当ての人々が押し寄せたアミティは大騒動となった。その対応に追われる一方で、ブロディは鮫の専門家である海洋学者フーパーを呼び寄せ、協力を求める。フーパーは最初の遺体を検視し、非常に大型の鮫による仕業と見抜く。
そのころ、イタチザメが捕らえられた。町中が事件は解決したと喜ぶ中、フーパーはイタチザメの口のサイズが遺体に残る噛み跡より小さいことから、別の鮫である可能性を指摘する。念のために鮫の消化器官の内容物の確認を提案するが、市長は反対した。納得できないブロディとフーパーはその夜、秘密裏に鮫の腹を裂いたが、人が食べられた痕跡は確認できなかった。フーパーの所有する調査船で鮫の探索に出た2人は、アミティの漁師の船が漂流しているのを発見する。調査のため海に潜ったフーパーは、船底に刺さっていた大きなホオジロザメの歯を見つけるが、漂う漁師の遺体に驚いた拍子に紛失する。
翌朝、2人は市長に「犯人は巨大なホオジロザメであり、すぐに海を閉鎖する必要がある」と申し出るが、利益を優先したい市長は、証拠となる鮫の歯がないことを理由にこれを拒否し、海開きを実施する。その結果、観光客を鮫が襲うという最悪の事態が発生する。
そこでブロディは、地元の漁師クイントを雇い、鮫退治を提案する。ブロディ、フーパー、クイントの3人は、鮫退治のため大海原へ乗り出す。しかし、現れたホオジロザメのサイズは、彼らの予想をはるかに上回るものであった。ブロディ達と巨大ザメとの激闘が始まる。




 製作:デイヴィッド・ブラウン、リチャード・D・ザナック
監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:ピーター・ベンチリー
脚色:ピーター・ベンチリー、カール・ゴッドリーブ
撮影:ビル・バトラー
美術:ジョセフ・アルヴズ・Jr.
編集:ヴァーナ・フィールズ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
提供:ユニバーサル・ピクチャーズ ザナック=ブラウン・プロダクションズ




    登場人物

 マーティン・ブロディ(Martin Brody)

 赴任間もない地元の警察署長。原作では41歳。元はニューヨーク市警の警官だったが、激務で危険が伴う生活にストレスを感じ、平和そのものなアミティへ赴任して来た。海水浴場における人食いザメの危機を再三アミティ市に申し入れるが、事なかれ主義的な市長から拒絶される。鮫被害が甚大になると、市長から鮫退治の許可を受け、鮫退治に乗り出す。
 子供の頃に溺れた経験がトラウマとなっており、水が大の苦手である。船の上でも、鮫を前に他の2人が機敏に動いている横でおろおろしていたり、鮫の強大さから真っ先に対決を諦めて救難信号を試みるなどの描写が多い。銀縁の眼鏡を着用しているが、鮫との激戦中に浮樽が顔面に直撃して破損する。
原作・映画共に、クライマックスで、沈み行くオルカ号の上で孤立する。映画では、なおも突撃してくる鮫に空気ボンベを噛ませ、クイントの銃で狙撃して破裂させて鮫を倒す。
 原作では映画ほど勇猛な活躍はせず、鮫に船を沈められ、殺されそうになる直前に鮫が力尽き、助かる。

 サム・クイント(Sam Quint)

 地元の漁師。荒くれ者の男で鮫狩りの達人。懸賞金目当てに鮫退治に乗り出す。若い頃、太平洋戦争中に巡洋艦インディアナポリスに乗り組んでいた経験があり、同艦が終戦直前に日本海軍の潜水艦の魚雷攻撃で沈没した際に鮫の恐ろしさを知ったらしい。昔気質な男で、経験豊富だが他人の忠言に耳を貸さない強情さが目立つ。
 原作では鮫との戦いの最中にロープが絡まり、海中に引きずり込まれて溺死するが、映画では船に乗り上げてきた鮫に噛み付かれ、血を吐きながら派手に喰い殺されるという最期を迎える。
 映画冒頭には、クイントが映画『白鯨』を観て嘲笑する、という場面が本来用意されていたが、カットされた。原作におけるクイントの最期は、『白鯨』に登場するエイハブ船長と似たものである。

 マット・フーパー(Matt Hooper)

 若い海洋学者。縁なし眼鏡にひげ面の小柄な男。最初に捕らえられた鮫が問題の鮫と違うことを見抜く。ブロディやクイントとともに鮫退治に乗り出す。優男な学者で、基本的には学術的知識をベースに行動し、軟弱な男としてクイントには馬鹿にされるが、実行力があり、大胆な選択もする。
 原作・映画共に、物語終盤にオルカ号がエンジントラブルを起こして立ち往生した後、銛で直接毒を注入するために、特製の檻に入って海中で鮫と対決するが、鮫に檻を破壊される。原作ではそのまま喰い殺されてしまうが、映画では辛くも脱出し、海底に姿を隠すことで奇跡の生還を遂げるように変更された。

 エレン・ブロディ(Ellen Brody)

 ブロディの妻。映画では、ヘタレ気味の夫を案じる良き妻……と言った印象。原作ではフーパーの兄の元ガールフレンドであり、そのフーパーにアバンチュールを求めて、夫の目を盗んだ不倫関係になる。原作では36歳。ただし美人で外見は30歳くらいにしか見えない。
ボーン

 アミティ市長。

 市の経済は夏の海水浴客によって支えられているため、鮫の危険を軽視して海開きを強行しようとする。
 中盤まではブロディやフーパーの忠告を無視し続けるが、海開き当日に青年が鮫に食い殺されたのをきっかけに、クイントを雇うというブロディの案に同意する。また、この海開きの際には彼の息子も浜にいたと語っており、単なる悪役としては描かれていない。
 続編『ジョーズ2』では、本作でのブロディの奔走を知っているためか、彼を擁護する姿勢の強い人間として描かれ、過剰に警戒するあまり発砲騒ぎを起こしたブロディをいぶかしみながらも、その解雇決議にただ1人反対する。

 ベン・ガードナー[3](ben gardner)

 地元のベテラン漁師。フーパーを船でアミティに連れてきた男。鮫退治に全国からやってくるハンターたちに「素人が鮫退治にてをだすんじゃない」と小言をぼやいていたが、イタチザメ捕獲後に調査にやってきたフーパーとブロディに難破してる船を発見され、ホオジロザメの歯をフーパーが発見した直後に生首となった遺体が船の中から飛び出してくる。


   鮫

 ホオジロザメ(ブルース)

 アミティを恐怖のどん底に陥れる巨大鮫。体長約8m/体重約3tとされ、現実には確認されていないレベルの巨大な個体。原作によると雄である(普通、ホオジロザメは雄より雌が大きい)。
 「はぐれ者」となって1匹でアミティ沿岸にたどり着き、数多くの人間を殺害する。
性質は非常に獰猛。漁船の底を突き破り、桟橋につながれた餌を桟橋ごと沖へ引きずり、オルカ号をも引きずりまわし沈没させるなど、力も強い。体力も無尽蔵で、浮力の強い樽を3つ繋がれた状態でも潜水し、経験豊富なクイントを驚かせている。
 映画では、口に噛まされた空気ボンベを射撃されもろともに炸裂し、海の底へと沈んでいった。
原作では映画ほど現実離れしていない。樽を打ち込まれてからはすぐに弱り、オルカ号を沈めたものの、海に浮いているブロディに襲いかかる直前で力尽きる。
 船を攻撃したり、漁船に乗り上げてくるなど、実際のホオジロザメの生態とはかけ離れた描写が多い。

 イタチザメ

 鮫の存在が明らかとなった直後、賞金稼ぎのハンターにより仕留められた鮫。ホオジロザメに比べて幾分小柄。
実際のイタチザメは最も危険で獰猛な鮫の一つであり、「ヒレのついたゴミ箱」と呼ばれるほど何でも貪欲に飲み込む。本作の鮫は、消化器官検査の結果、人を食べてはおらず、ルイジアナ州のナンバープレートなどが発見されたため、元々はメキシコ湾にいた個体がたまたま流れ着いただけと判明した。
  (Wikipediaより)