シャチ



    特徴

 マイルカ科の仲間では最大の種であり、平均ではオスの体長は5.8 〜 6.7m、メスの体長は4.9 〜 5.8m、オスの体重は3,628 〜 5,442kg、メスの体重は1,361 〜 3,628kg。最大級のオスでは体長は9.8m、体重は10tに達する[2]。背面は黒、腹面は白色で、両目の上方にアイパッチと呼ばれる白い模様がある。生後間もない個体では、白色部分が薄い茶色やオレンジ色を帯びている。この体色は、群れで行動するときに仲間同士で位置を確認したり、獲物に進行方向を誤認させたり、自身の体を小さく見せたりする効果があると言われている。大きな背びれを持ち、オスのものは最大で2mに達する。背びれの根元にサドルパッチと呼ばれる灰色の模様があり、個々の模様や背びれの形状は一頭ずつ異なるため、これを個体識別の材料とすることができる。長さ8 〜 13cm[3]の円錐状の鋭い歯が上下のあごに計44 〜 48本並んでいる。歯の形状は全体的にほぼ均一であり、獲物を咀嚼することよりも噛みちぎることに特化したものになっている。

  生態

 非常に活発な動物であり、ブリーチング(海面へ自らの体を打ちつけるジャンプ)・スパイホッピング(頭部を海面に出し、辺りを見渡すためと言われる行動)など、多彩な行動が水上でも観察されている。また泳ぐ速さは時速60 〜70kmに及び、「泳ぎの達人」と呼ばれるハンドウイルカと並んで、哺乳類では最も速く泳ぐことができる生物のひとつである。餌を求めて1日に100km以上も移動することが知られている。また、好奇心も旺盛で、興味を持ったものには近寄って確かめる習性もある。
 他のハクジラと同様、二つの種類の音を使い分けていることが知られている。一つはコールと呼ばれ、群れのメンバー同士のコミュニケーションに使用される。もう一つはクリック音と呼ばれ、噴気孔の奥にある溝から、メロンと呼ばれる脂肪で凝縮して発射する音波である。この音波は物質に当たるまで水中を移動するため、シャチはその反響音を下あごの骨から感じ取ることで、前方に何があるか判断することができる。この能力をエコーロケーション(反響定位)と呼ぶ。クリック音の性能は高く、わずか数mmしか離れていない二本の糸を認識したり、反響音の波形の違いから物質の成分、果ては内容物まで認識することが可能だという。
 オスの平均寿命は30歳、最高寿命は約50歳で、メスの平均寿命は50歳、最高寿命は80歳あまりである。


  食性

 肉食性。海洋系での食物連鎖の頂点に立つ。武器を使う人間を例外にすると自然界での天敵は存在しない。知能も高く多くの生物を捕食することから、非常に獰猛で貪欲な捕食者として知られている。利益にならない戦闘は避ける傾向もあり、食べる必要のないものを襲うことは少ないと考えられている。アザラシやオタリアを襲うとき、海面上に放り投げ必要以上の苦痛を与えることがあるが、これは子供のシャチに安全な海中(上)で狩りの練習をさせるためだと考えられている(陸上のアザラシを捕食する際、シャチ自身が海に戻れなくなり死亡することがあるため)。しかし、はっきりしたことは未だわかっていない。英名の Killer whale は「殺し屋クジラ」であり、学名の Orcinus orca は「冥界よりの魔物」という意味である。
 各タイプのメインの獲物だけでなく、小さいものでは魚・イカ・海鳥・ペンギン、比較的大きなものではオタリア・アザラシ・イルカ・ホッキョクグマ、時にはクジラやサメなど、捕食する動物は多岐に渡るとされる。クジラ類では、比較的小さいコククジラやミンククジラの幼獣をよく狙い、まれにザトウクジラも狙う。クジラ類はシャチよりも体が大きく、幼獣に大抵母クジラが側にいて、幼獣を守ろうとするため、シャチにとっても手強い獲物となる[7]。一部を別種とする学説すらあることからわかるように、一頭のシャチがさまざまな種類の動物を捕食するというより、個体ごとにさまざまな好みを持った生物であると理解した方が現実に近い。一頭一頭を見れば、どちらかといえば偏食な動物である。
 氷の下からの奇襲・群れでの協力・挟み撃ちなど、高度な狩りの技術を持つ。前述のクリック音を通常より凝縮させて獲物に当てて麻痺させ、捕食しやすくする行動も知られている。浜辺にいるアシカなどに対して、そこへ這い上がって来て捕食することもある。水面下を遊泳していた3mほどのサメを真下から攻撃し一撃で仕留めた例を、海洋学者のジャック=イヴ・クストーの海洋探査船が報告している。サメやエイを捕食する場合、獲物の身体をひっくり返し擬死状態にすることで抵抗出来なくしてから食べる[8]。軟骨魚類特有の性質を用いた有効な狩猟方法だが、エイの尾にある猛毒によって致命傷を負うこともある。口に入れた魚を吐き出してカモメをおびき寄せ、集まってきたカモメを食した例も報告されている。 好物はクジラの舌、口付近であり、他の多くの部分は放置されるが、しばしばシャチがクジラの死体のある場所におとずれて死体を食べることがある[9]。
  (Wikipediaより)




                   フリー・ウィリー 1993年




 『フリー・ウィリー』(原題:Free Willy)は、1993年制作のアメリカ映画。
母親に捨てられた少年と母親から引き離されたシャチ。互いに孤独な境遇の両者が交流を深め、成長していく姿を美しい自然描写の中に描いた感動作。続編『フリー・ウィリー2』、『フリー・ウィリー3』、さらにオリジナルビデオ『フリー・ウィリー 自由への旅立ち』も制作された。
 巨匠リチャード・ドナー監督とその妻ローレン・シュラー・ドナーがプロデュースしている。主題歌はマイケル・ジャクソンのWill You Be There。続編2の主題歌もマイケルの曲でChildhood。




              あらすじ

 ジェシー少年は母親に捨てられて孤児院に入れられたが、脱走してストリートチルドレンとなっていた。ある夏の夜、パトカーに追われ、さびれた水族館に忍び込んだジェシーは、水槽の中で泳ぐ1匹のシャチを見つける。それがウィリーだった。
 孤児院に連れ戻されたジェシーは子供のいない里親に引き取られるが、母親が迎えに来ると信じるジェシーは心を開かない。罰則として水族館でペンキ落としの作業を命じられたジェシーはウィリーと再会。ウィリーは誰にもなつかなかったが、ジェシーの吹くハーモニカにだけは優しい表情を見せた。ウィリーもまた母親から引き離されていたのだった。
 同じ境遇同志のジェシーとウィリーは次第に信頼と友情を深め、ウィリーはジェシーの指導でダイビングやジャンプなどの様々な芸を身に付けていく。デビューの日、多くの観客が集まり、窓を叩いたり、歓声をあげてウィリーは恐怖に陥る。水族館のオーナーは巨額の保険金を手に入れるためウィリーを処分しようと企んでいた。ウィリーの母親たちも水族館の近くの海に集まっていた。それを知ったジェシーは、ウィリーを海へ逃がそうと考える。



    キャスト

 ジェシー  ジェイソン・ジェームズ・リクター 藤田大助 高乃麗
 レイ  ロリ・ペティ 田中敦子 日野由利加
 グレン  マイケル・マドセン たかお鷹 江原正士
 アニー  ジェイン・アトキンソン 藤生聖子 高島雅羅
 ダイアル  マイケル・アイアンサイド 筈見純 谷口節
 ランドルフ  オーガスト・シェレンバーグ 中庸助 小林修
 ドワイト  ミケルティ・ウィリアムソン 仲野裕 牛山茂
 ウェイド  リチャード・リール 飯塚昭三 青森伸
 ペリー  マイケル・バコール 石田彰 阪口大助
 グウェニー  ダニエル・ハリス    遠藤勝代
 ベクター  イザイア・マローン    くまいもとこ
 ブロディ  トム・ラスウェル 沢りつお 秋元羊介
 魚屋  ジャスティン・R・ホール     荒川太朗
 通行人#2  ロブ・サンプル       梅津秀行
 通行人#3  メリリン・ジョーンズ    水原リン
 ウェイター  ミッキー・ゲインズ    真殿光昭
 ウィリー  ケイコ
  (Wikipediaより)