ベビーシッター・アドベンチャー_1087



 『ベビーシッター・アドベンチャー』(英語: Adventures in Babysitting、公開国によってはA Night on the Town)は、1987年のアメリカ合衆国製作によるコメディ映画である。
 デヴィッド・シムキンズが脚本を担当し、クリス・コロンバスが初めて監督を担当した作品である。エリザベス・シュー、マイア・ブルートン、キース・クーガン、アンソニー・ラップ、ペネロープ・アン・ミラー、ブラッドリー・ウィットフォードが出演しており、ブルースシンガーでギタリストのアルバート・コリンズとシンガーソングライターのサウスサイド・ジョニー・ライオンがカメオ出演している。上映時間102分。

 2016年のディズニー・チャンネルによるリメイク版、「ベビーシッター・アドベンチャー (2016年の映画)」が別途に有ります。




           あらすじ

 ボーイフレンドのマイクが突然記念のデートをキャンセルしてしまったため、高校生のクリス・パーカーは友人のブレンダとオークパークの家で過ごそうとするが、母からアンダーソン家でベビーシッターをするよう頼まれる。アンダーソン夫妻はシカゴの街中で開かれるパーティに出席するので、8歳の娘サラの面倒を見て欲しいと思っていた。クリスは結局、これを承諾する。サラの兄である15歳のブラッド・アンダーソンは、もともとは友達のダリル・クーパースミスの家で夜を過ごすつもりだったが、クリスがベビーシッターにくると知って予定を変える。
 そこへブレンダがダウンタウンのバス停から半狂乱で電話をかけてくる。ブレンダは家出したのだが、タクシー代にお金を使い果たしてしまったという。クリスはブレンダを迎えに行こうとするが、ブラッド、サラ、ダリルが無理矢理付いてくる。クリスは母親に借りたビュイック・エレクトラのステーションワゴンでブレンダのところに向かうが、途中でタイヤがパンクし、親切な牽引トラックの運転手、「ハンサム」・ジョン・プルイットに拾ってもらう。クリスは財布をアンダーソン家に忘れたと気付き、プルイットはタイヤのお金を払おうと申し出る。途中でプルイットはボスであるドーソンから、プルイットの妻が浮気しているようだという電話をもらう。プルイットは妻の不貞をとりおさえるために家に急ぐ。プルイットは妻の愛人を殺そうとリボルバーを撃つが、これが偶然クリスの母の車のフロントガラスにあたって壊れてしまう。クリスと子どもたちはキャデラックに隠れるが、この車は泥棒であるジョー・ギップにカージャックされてしまう。
 潜伏場所についたジョーは盗難車の作業所に目撃者を連れてきてしまったことを責められ、サブリーダーのグレイドンは子どもたちが警察には言わないと誓っても信じない。階上の事務室に閉じ込められてしまったため、天井から逃走し、垂木をつたって屋根に出る。泥棒に追いかけられ、子どもたちはブルースクラブに入ってしまう。ステージにいるバンドはブルースを歌わないと帰さないとクリスたちに告げる。クリス、ブラッド、サラ、ダリルはその夜にこれまで起こった出来事を物語って観客から喝采を受け、出ていっていいと言われる。このおかげでグレイドンとそのボスであるブリークをまくことができた。
 一方、ブレンダもトラブルの最中だった。メガネを盗まれ、ホットドッグを買う金もなく、ドブネズミを子猫と間違え、ペストコントロールにこれを指摘されて驚愕する。
 ブラッドはクリスに好きだと告白するが、ブラッドはクリスより2歳も若いので気持ちにはこたえられないと言われてしまう。家出人のストリートガールとダリルを引き離して、クリスはブレンダのことを思い出す。ここでクリスたちはまたグレイドンとブリークに見つかってしまうが、シカゴ・Lの列車で逃げおおせる。そこでクリスたちはギャングのケンカに巻き込まれてしまい、リーダーに飛び出しナイフで足を刺されたブラッドが負傷してしまう。クリスたちはブラッドを病院に連れて行き、そこでブラッドはつまさきを一針縫ってもらうことになるが、他の者たちはブラッドが死んだと思い込んでしまう。クリスたちは偶然プルイットに会うが、プルイットは先程の襲撃のせいで逃走中の身だった。プルイットは子どもたちに、フロントガラスは交換したと告げるが、子どもたちはドーソンにタイヤ分の50ドルを払わねばならなくなる。子どもたちはフラタニティハウスのパーティに出会し、クリスはダン・リンチに会って心惹かれる。ダンは子どもたちのために45ドルは手に入れてくれた。ダンはドーソンのガレージに子どもたちを連れて行って降ろしてくれる。ドーソンを見かけたサラは、ブロンドの髪とスレッジハンマーのせいでドーソンがお気に入りのヒーローであるソーだと思い込んでしまう。ドーソンは5ドル足りないから車は渡せないと言い張るが、サラが自分のおもちゃであるソーのヘルメットを渡すとドーソンは気が変わり、車を渡してくれる。一方、ジョー・ギップはブリークと話して子どもたちを追う。
 子どもたちはマイクがクリスを連れて行くはずだったレストランを見つけるが、マイクは他の女の子と一緒だった。サラはひとりで抜け出しておもちゃ屋を見に行ってしまい、一方でクリスはマイクとケンカをする。ブラッドはクリスのために立ち上がり、ダリルはマイクを蹴飛ばして料理用カートに放り込み、ディナーを台無しにしてしまう。
 サラはブリークに見つかってしまい、グレイドンはサラを追ってオフィスビルに行く。サラは改修中のフロアに隠れる。他の子どもたちはサラがいないのに気付いて探すが、偶然アンダーソン夫妻が出席しているパーティに入りこんでしまう。サラが窓にのぼっているのをクリスが見つけ、助けようと皆ビルをのぼる。
 サラを助けた後、子どもたちはブリークに見つかってしまうが、ジョーがボスをノックアウトする。車泥棒たちはダリルが盗んだ『PLAYBOY』に入っていた大事なメモが欲しかったのだった。子どもたちは急いでブレンダをバス停で拾って家に急ぎ、なんとかアンダーソン夫妻との鉢合わせを避ける。帰宅して小さな子どもたちは階上に行き、クリスはブレンダを帰らせ、片付けをし、家の様子をアンダーソン夫妻が出かけた時のままの状態に復帰させる。すべて普通に戻り、クリスはサラに今夜が自分がベビーシッターをする最後だと告げる。皆、今夜が今までの人生最高の夜だと思い、ブラッドとクリスは親しい友人のままでいようということになる。クリスが帰ると、ダンがサラのなくしたスケートを片方持って現れる。ダンはベビーシッターが必要だと言い、クリスが引退したと言うとがっかりする。ダンは自分がベビーシッターを必要としているのだと告白する。クリスは引退を延期して喜んでダンの子守をすると言う。サラが寝室の窓からこれを励まし、クリスとダンは笑ってキスをする。ブラッドがブラインドを閉める。
クレジットの後の場面では、グレイドンがまだビルの壁にはさまっているところが見える。



       キャスト

 エリザベス・シュー - クリス・パーカー(富永みーな)
 マイア・ブルートン - サラ・アンダーソン
 キース・クーガン - ブラッド・アンダーソン(石井竜三)
 アンソニー・ラップ - ダリル・クーパースミス
 ペネロープ・アン・ミラー - ブレンダ
 ブラッドリー・ウィットフォード - マイク・トッドウェル
 カルヴィン・レヴェルズ - ジョー・ギップ
 ヴィンセント・ドノフリオ - ドーソン
 ジョージ・ニューバーン - 大学生ダン・リンチ
 ジョン・フォード・ヌーナン - 「ハンサム」・ジョン・プルイット
 ジョン・デイヴィス・チャンドラー - ブリーク
 ロン・カナダ - ブリークの副官グレイドン
 アルバート・コリンズ - 本人役、シカゴブルースクラブのミュージシャン
 サウスサイド・ジョニー・ライオン - フラタニティでのパーティのバンドリーダー
 ロリータ・ダヴィドヴィッチ - スー・アン
 クラーク・ジョンソン - ギャングのリーダー