嘆きの天使 1930年





 『嘆きの天使』(なげきのてんし、独: Der blaue Engel)は、1930年製作・公開のドイツ映画である。ハインリヒ・マンの原作を、ドイツに渡ったジョセフ・フォン・スタンバーグが監督した。上映時間は99分。ドイツ語、英悟番も有り。




              あらすじ

 イマヌエル・ラート教授は融通の利かない謹厳実直な英語の教授だった。そして、彼の毎日は変化のない退屈なものであった。今日も悪戯好きの悪童学生を叱りつけながら講義を進める。
 その日、学生の一人が授業中に絵葉書を落して、それを見た教授はあまりの品の無いいかがわしさに仰天した。それは街のキャバレーに巡業に来ている歌妓舞踊団の踊り子の絵葉書で、いかがわしい遊びに誘うものであった。教授は学生達が酒と女の誘惑に負ける事を深く悩み、心配するのであった。
 その晩、教授はその事実を確かめるべく責任上から意を決して、生まれて初めてキャバレーの扉を開く事となる。喧噪のなかで戸惑う教授の姿を認めた不良学生は直ぐに逃げ出し、教授は絵葉書に描かれた踊り子のローラの部屋に案内される。あまりに謹厳実直で生真面目な教授は団員達から驚かれながらも、興味をひかれたローラから歓待される。不良学生を見つけて取り逃がしてしまった教授はローラに不思議な魅力を感じながらも、酔客のトラブルに巻き込まれて帽子を忘れて帰っていく。帰る先は殺風景な書籍に囲まれた部屋に、寒々とした寝台がポツンとあるだけであった。