宇宙戦争 1953年



 『宇宙戦争』(うちゅうせんそう、The War of the Worlds)は、1953年公開のアメリカ合衆国の映画。H・G・ウェルズのSF小説『宇宙戦争』を、ジョージ・パルとパラマウント映画が映画化した作品である。



    概要

 の古典SF小説『宇宙戦争』を、『月世界征服』や『地球最後の日』を製作したジョージ・パルが映画化した作品である。ウェルズの原作をバリー・リンドンが脚色し、バイロン・ハスキンが監督した。リンドンとハスキンは、この後『宇宙征服』でもパルと組んでいる。
物語の大筋は原作を生かしつつ、時代設定と主たる舞台は19世紀末のイギリスから製作当時のアメリカ合衆国カリフォルニア州南部に移された。火星人の兵器も、原作に登場する「トライポッド」と呼ばれる三脚型の機械から「マーシャーン・ウォー・マシーン」と呼ばれる空飛ぶ円盤型の宇宙艇に変更され、原作が書かれた当時は存在しなかった原子爆弾も通用しない強敵に描かれている。
特撮は『地球最後の日』を手がけ、アカデミー特殊効果賞を2度受賞しているゴードン・ジェニングスや、同じく特殊効果賞を2度受賞し、この後『宇宙征服』にも参加するスクリーン・プロセスの専門家ファーシオット・エドゥアートらが担当した。「マーシャーン・ウォー・マシーン」の造形は、美術を担当した日系人アルバート・ノザキによるものである[1]。
主演のジーン・バリーは、後のテレビシリーズ『バークにまかせろ』のバーク役で知られる。また、バリーとアン・ロビンソンはDVDのオーディオコメンタリーに声を吹き込み[2]、2005年にスティーヴン・スピルバーグがリメイクした『宇宙戦争』にもカメオ出演している。
本作はアカデミー特殊効果賞を受賞し、同編集賞と音響賞にノミネートされた他、ヒューゴー賞映像部門も受賞した。



               あらすじ

 ある日、世界各地に隕石が降り注いだ。科学者のフォレスター博士は、カリフォルニアに落下した隕石の分析を依頼されるが、その大きさの割にはクレーターが小さいことを不思議に思う。フォレスターは現場にいた教師のシルヴィア、彼女の叔父で牧師のコリンズを頼って近くの街に滞在し、さらに詳しい分析をしようと試みる。落下現場に監視が付けられたその夜、隕石の中から突如アームのようなものが伸びて光線を放ち、監視の男達を焼き殺してしまう。空からまたも降ってきた隕石と、殺された男達の哀れな姿を見たフォレスター達は、軍隊の出動を要請する。
隕石の周囲を取り囲む軍隊の前に、恐るべきものが出現した。アームの正体は、火星人が地球侵略のために建造した戦闘兵器の一部だったのだ。牧師のコリンズは火星人との対話を試みるも光線を浴び、シルヴィアの前であえなく消え去った。ついに軍隊の総攻撃が始まるが、目に見えないバリヤーに守られた戦闘兵器は砲弾も何も通じず、軍は撤退を余儀なくされる。フォレスターとシルヴィアも退避を図るが、搭乗したセスナ機が途中で不時着し、荒野に放り出されてしまう。
何とか民家へと逃げこむ二人。だか彼等は、そこで新たに送り込まれた戦闘兵器と遭遇する……。



    キャスト

 クレイトン・フォレスター博士  ジーン・バリー 森川公也
 シルヴィア・ヴァン・ビューレン  アン・ロビンソン 芝田清子
 マン将軍  レス・トレメイン 吉沢久嘉
 プライアー博士  ボブ・コーンスウェイト 伊井篤史
 マシュー・コリンズ  ルイス・マーティン 藤本譲
 ラルフ・ヘフナー大佐  ヴァーノン・リッチ
 ビルダーベック博士  サンドロ・ジリオ
 サルヴァトーレ  ジャック・クラッシェン 藤城裕士
 ラジオのリポーターポール・フリーズ
 ウォッシュ・ペリー  ウィリアム・ピップス 宮下勝
 ナレーター  セドリック・ハードウィック 平林尚三



   スタッフ

 製作:ジョージ・パル
 監督:バイロン・ハスキン
 原作:H・G・ウェルズ
 脚本:バリー・リンドン
 音楽:リース・スティーヴンス
 撮影:ジョージ・バーンズ
 編集:エヴェレット・ダグラス
 美術:アルバート・ノザキ、ハル・ペレイラ
 視覚効果:ゴードン・ジェニングス、ファーシオット・エドゥアート他
 続編[編集]
  (Wikipediaより)