二人の魔人ドラキュラの違いを語りましょう。

 昔、アメリカのユニバーサル映画社が怪奇映画魔人ドラキュラを1931年に制作した事が有りました。原題はDraculaで此の映画には珍しく別途スペイン語バージョンが有ります。昼間はベラ・ルゴシ主演の英語バージョンを撮影し、夜間の高価な映画のセットが遊んで居る間にカルロス・ヴィリャリアス主演のスペイン語バージョンを制作した。吹き替えが未だ一般的で無かった昔の話です。スペイン語バージョンはついでに作った丈で誰も期待して居ませんでした。セットも機材も俳優の立ち位置も同じでした、映画監督はスペイン語が話せませんでした、通訳を通しての演技指導でした。監督は演技指導を殆どせず、俳優にかってきままに演じさせました。誰しもが其れでもソコソコの出来栄えには成るであろうと噂してました。しかし、実際には多くの人の予想を裏切る結果に成って仕舞いました。主演のルピータ・トバールが後日のインタビューで語って居ます。

 日本では英語バージョンのみが公開されDVDも英語バージョンに日本語字幕を付けて販売してました。近年成って両方と他のドラキュラ作品をセットにしたBox版も販売されて、両方を見比べる機会が出来ました。以前はインターネットのYouTubeでも両方が観れました。日本語字幕は出ませんでした。

 英語バージョンは劇場の上映時間に合わせる為にかカットが多く可笑しな不具合が見受けられる。食卓に美味しそうな料理が並んで居るのに、食事のシーンが出て来ません。バレーの開演待ちのシーンの後のバレーの開演の幕開き舞台の映像が有りません。

 女優の衣装は英語バージョンはキリスト教の影響で禁欲的で清楚ですが、スペイン語バージョンは陽気な開放的なラテン風、悪く言えば猥褻です。

 動画共有サイト等に動画をアップしてもスペイン語バージョンは削除されます。何かスペイン語バージョンには、見せてはいけないものが映って居るのでしょうか。

 二つを見比べる事で映画の勉強をして居る学生には色々映画撮影技法の勉強に成る事も多い筈。スペイン語バージョンはカメラワークでは英語バージョンより勝って居ます。オープニングの主題曲に合わせて風に揺れる燭台の蜘蛛の巣が髑髏に見えるは圧巻です。DVD版でしか良く見えません。両方とも白鳥の湖の主題曲ですが差異は歴然です。

 昔のダウンロード版しか有りません。

 英語バージョン
http://www.htrubosi.asia:80/d0_/d0_peliculas/dracula_1931_eng.flv

 スペイン語バージョン
http://www.hirubosi.asia:80/d0_/d0_peliculas/dracula_1931_espanol_spanish.flv

 どちらが優れて居るか、後意見を賜りたく存じます。