スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望 1978年


 『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(スター・ウォーズ エピソードフォー/あたらなるきぼう、原題:Star Wars: Episode IV A New Hope)は、1977年に公開されたアメリカ映画。


   概要

 アメリカのスペースオペラである『スター・ウォーズ』シリーズにおける実写映画本編の第1作品目で、ルーク・スカイウォーカーを主人公とする旧三部作の第1章『エピソード4』に当たる。
 アメリカでの公開当初のタイトルは『Star Wars』で、日本での公開当初のタイトルは『スター・ウォーズ』だった。「A New Hope(新たなる希望)」という副題は1976年の脚本の最終稿に見えていたが、公式に付けられたのは1980年の『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』公開前のリバイバル上映からで、オープニング・クロールに加えられるようになったのはVHS版からであった[3]。元々「大河ドラマの一部」という前提で製作された(3年に一度続編を作ると言われていたが実際には無理だった)ための便宜上の副題であったがシリーズ化に成功、更に1999年に前日談となる『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』が公開されて以降、各作品を区別するため正式なタイトルとして「Episode IV(エピソード4)」も付け加えられた。
1997年の《特別篇》公開、2004年のDVD版や2011年のブルーレイ版の発売に際し、その都度最新のCG技術などを用いて一部内容の修正・変更が行われている。
特撮シーンの評価も高かったが、第一次、第二次世界大戦の記録映像を研究して作り上げられた戦闘機の空中戦シーンとその編集、ベン・バートが制作した既成の音源に頼らないユニークな効果音やキャラクターの声をもそれまでに無い新しさを印象付ける一助となり、アカデミー賞を得ている。
 1977年公開当時、1978年公開の映画『未知との遭遇』などとともに世界的なSFブームを巻き起こし、それまでマニアックな映画としてしか認識されていなかったSF作品を誰でも楽しめるエンターテインメントへと評価を完全に変えた。アメリカ国内のみでの総合興行収入(インフレーション調整版)は歴代2位(世界歴代興行収入上位の映画一覧参照)。1989年には、アメリカ議会図書館フィルム保存委員会により永久保存映画に選定された[4](アメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された)。



   あらすじ

 遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。
 ジェダイ騎士団と旧銀河共和国が滅亡して久しい時代、かつて平和だった銀河系は銀河帝国による圧政下にあった。そんな中、反乱同盟軍のスパイが帝国軍の誇る宇宙要塞である初代デス・スターの極秘設計図のデータを密かに盗み出す事に成功した。帝国の皇帝であるダース・シディアスが最も信頼を置くシスの暗黒卿のダース・ベイダーは、設計図奪還と反乱軍の本拠地の早期発見を命じられる。
 反乱軍の指導者の一人レイア・オーガナ姫は惑星オルデランへ帰還の途上だったが、帝国軍のスター・デストロイヤーに襲撃され輸送船タンティヴィIVは拿捕される。激しい戦闘の最中、レイアは養父ベイル・オーガナ元老院議員の友人のオビ=ワン・ケノービに助けを求めるべく、ドロイドのR2-D2に救援メッセージとデス・スターの設計図を託し、R2は相棒のC-3POと共に船から脱出する事に成功する。
 R2と3POは砂漠の惑星タトゥイーンに漂着する。原住生物ジャワに捕獲されてバザーに出された2体は、オーウェン・ラーズとベル・ホワイトスン夫妻と甥の農場手伝いの青年ルーク・スカイウォーカーに購入された。ルークによって整備されたR2はふとした拍子にレイアのメッセージを再生してしまう。R2は夜中にラーズ家を抜け出し単身でオビ=ワンにそのメッセージを届けようとするが、後を追ったルークらと共に野盗タスケン・レイダーの襲撃に遭い、近所に住む老人ベン・ケノービに助けられる。
 ベンこそが、名を変えて隠遁していたジェダイの騎士のオビ=ワンであった。オビ=ワンはルークらを自宅へ招くと、ルークに彼の父であるアナキン・スカイウォーカーのライトセーバーを渡し、自身とアナキンとフォース、そしてジェダイを裏切り多くの騎士を殺害したベイダーの過去を話す。そしてレイアのメッセージを受けて、彼女の故郷の惑星オルデランへの旅へルークを誘うが、ルークは叔父が許してくれないと断り、オビ=ワンをアンカーヘッドの街まで送ろうとする。その途中、ルークらはドロイドを売ったジャワ達が帝国軍に襲撃された現場を見てラーズ家の危機を察知し農場へ駆け戻るが、時は既に遅くオーウェンとベルーは帝国軍に無残に殺害され、農場は焼き払われていた。もはやタトゥイーンに留まる理由を無くしたルークは、父のようにジェダイの騎士になる事を誓って、オビ=ワンとオルデランへ行く事を決意する。一行はモス・アイズリー宇宙港で密輸商人のハン・ソロとチューバッカを雇い、彼らの宇宙船ミレニアム・ファルコンで帝国軍の追跡を振り切ってオルデランへ向かう。
 同じ頃、帝国軍に囚われの身であったレイアは執拗な尋問にも頑強に抵抗していた。業を煮やしたデス・スター司令官ターキン総督は、反乱軍の秘密基地の所在を吐かねば故郷オルデランを破壊すると脅し、レイアはやむなく既に放棄された反乱軍の基地の所在を教えるが、ターキンは見せしめとしてオルデランをデス・スターの究極兵器であるスーパーレーザーで破壊してしまう。その瞬間、ミレニアム・ファルコン内でルークにフォースを教えていたオビ=ワンはフォースに異常な乱れが起きた事を感じた。彼らが到着した時には既にオルデランは星くずと化しており、付近にあったデス・スターを衛星だと勘違いしていた一同は、トラクター・ビームによって捕らえられてしまう。
 ルークたちはファルコン号の二重床を使ってストームトルーパーの装甲服を奪って変装し、管制室へ逃れる。R2にデス・スターのコンピューターから情報を引き出させ、トラクター・ビームは複数の電源のうち1つを切るだけで停止することを知ると、オビ=ワンは一人で電源を切りに向かった。その後、R2の解析によりレイアがここに監禁されている事が分かり、ルークはソロとチューバッカを説得し救出に向かう。帝国軍の猛追を受けながらも三人はレイアの救出に成功、ファルコン号へと急ぐ。トラクタービームの電源を切り終えてきたオビ=ワンは、ファルコン号の目前でベイダーと再会、ライトセーバーを交える。ファルコン号へ乗り込もうとするルーク達を見たオビ=ワンは突然何かを悟ったかのようにライトセーバーを収める。直後、ベイダーのライトセーバーがオビ=ワンの首を切り払おうとした矢先に、オビ=ワンの肉体は消滅した。
 TIEファイターの追撃を振り切り、ミレニアム・ファルコンはレイアの案内で反乱軍の基地のあるヤヴィン第4衛星へたどり着く。デス・スターの設計図からは「反応炉の排熱口が地表に直結している」という構造上の弱点が判明し、その排熱口よりプロトン魚雷を撃ち込んで反応炉を破壊する作戦が立案される。その頃、ファルコン号に追跡装置を仕掛けておいた帝国軍はヤヴィン第4衛星の基地の存在を突き止め、デス・スターの圧倒的な力をもってヤヴィン第4衛星ごと破壊せんとする。ルークはスクランブルする反乱軍の戦闘機隊に加わりパイロットとして戦場へ向かうが、礼金を受け取ったソロとチューバッカは早々に基地を立ち去ろうとする。
帝国軍と反乱軍の雌雄を賭けた戦いが今始まろうしていた…。



 ルーク・スカイウォーカー - マーク・ハミル
  ハン・ソロ - ハリソン・フォード
  レイア・オーガナ - キャリー・フィッシャー
  ダース・ベイダー - デヴィッド・プラウズ(演)&ジェームズ・アール・ジョーンズ(声)
  オビ=ワン・“ベン”・ケノービ - アレック・ギネス
  C-3PO - アンソニー・ダニエルズ
  R2-D2 - ケニー・ベイカー
  チューバッカ - ピーター・メイヒュー
  ターキン総督 - ピーター・カッシング
  オーウェン・ラーズ - フィル・ブラウン
  ベル・ホワイトスン - シラー・フレイザー
  ボバ・フェット - ジェレミー・ブロック
  グリード - ポール・ブレイク
  ストームトルーパー - ローリー・グード
  サンドトルーパー - アンソニー・フォレスト
  レッド・リーダー(ガーヴェン・ドレイス) - ドリュー・ヘンレイ
  ゴールド・リーダー(ジョン・“ダッチ”・ヴァンダー) - アンガス・マッキネス
  ウェッジ・アンティリーズ - デニス・ローソン
  ビッグス・ダークライター - ギャリック・ヘイゴン
  反乱軍パイロット - ジョン・チャップマン、ローリー・グード
  リーサブ・サーリン - パム・ローズ
  モッティ提督 - リチャード・ルパルメンティエ
  マサッシ・テンプル・ガード - デレック・ライオンズ



 オリジナル・トリロジー
(旧三部作)ルーク・スカイウォーカー1977年スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望ジョージ・ルーカス
                                    1980年スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲アーヴィン・カーシュナー
                                    1983年スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還リチャード・マーカンド

  プリクエル・トリロジー
(新三部作)アナキン・スカイウォーカー1999年スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナスジョージ・ルーカス
                                      2002年スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
                                      2005年スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

  シークエル・トリロジー
(続三部作)レイ2015年スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)J・J・エイブラムス
                2017年スター・ウォーズ/最後のジェダイ(エピソード8)ライアン・ジョンソン
                2019年未発表(エピソード9)J・J・エイブラムス[注 1][6][7]