雪白姫




 『白雪姫』(しらゆきひめ、低地ドイツ語:Schneewittchen、標準ドイツ語:SchneeweiBchen)は、元々はドイツのヘッセン州バート・ヴィルドゥンゲンの民話とされている。[注釈 3][注釈 4]。
 グリム兄弟の『グリム童話』(Kinder und Hausmarchen)に、KHM[注釈 5]53番、エーレンベルク稿(1810年手稿)では43番として収載されている。
話者は、「マリー」[16][注釈 6]ことマリー・ハッセンプフルーク(ドイツ語版)[20][注釈 7]である[22][注釈 8]。
タイトル及び主人公の呼称の日本語訳名は「白雪姫」が一般的である。しかし、Schneewittchenが“雪のように白い子”の意[26][27]であることから、厳密に正確な日本語訳とするなら「雪白姫(ゆきじろひめ)」が正しい[27]。


    物語

 ある国に、「白雪姫」と称される容貌に優れた王女がいた。しかし彼女の継母(グリム童話初版本では実母)である王妃は、自分こそが世界で一番美しいと信じていた。彼女が秘蔵する魔法の鏡は、「世界で一番美しいのはだれか」との問いにいつも「それは王妃様です」と答え、王妃は満足な日々を送っていた。
 白雪姫が7歳になったある日、王妃が魔法の鏡に「世界で一番美しい女は」と訊ねたところ、「それは白雪姫です」との答えが返ってくる。怒りに燃える王妃は猟師を呼び出すと、「白雪姫を殺し、証拠として彼女の肺臓と肝臓(※作品によっては心臓となっている)を取って帰ってこい。」と命じる。しかし猟師は白雪姫を不憫がり、殺さずに森の中に置き去りにする。そして王妃へは証拠の品として、イノシシの肝臓を持ち帰る。王妃はその肝臓を白雪姫のものだと信じ、大喜びで塩茹にして食べる。
 森に残された白雪姫は、7人の小人(sieben Zwerge)たちと出会い、生活を共にするようになる。一方、白雪姫を始末して上機嫌の王妃が魔法の鏡に「世界で一番美しいのは?」と尋ねたところ「それは白雪姫です」との答えが返ってくる。白雪姫がまだ生きている事を知った王妃は物売りに化け、小人の留守を狙って腰紐を白雪姫に売りつける。そして腰紐を締めてあげる振りをして彼女を締め上げ、息を絶えさせる。
やがて帰ってきた7人の小人は、事切れている白雪姫に驚き、腰紐を切って息を吹き返させる。一方、王妃が再び世界一の美女を魔法の鏡に尋ねたことにより、白雪姫が生きている事が露見する。王妃は毒を仕込んだ櫛を作り、再度物売りに扮して白雪姫を訪ねる。白雪姫は頭に櫛を突き刺され倒れるが、小人たちに助けられる。
 今度こそ白雪姫を始末したと上機嫌の王妃だが、魔法の鏡の答えで白雪姫の生還を悟る。王妃は、毒を仕込んだリンゴを造り、善良なリンゴ売りに扮して白雪姫を訪ねる。白雪姫は疑いもなくリンゴを齧り、息絶える。
 やがて帰ってきた小人たちは白雪姫が本当に死んでしまったものとして悲しみに暮れ、遺体をガラスの棺に入れる。そこに王子が通りかかり、白雪姫を一目見るなり、死体でもいいからと白雪姫をもらい受ける。
 白雪姫の棺をかついでいた家来のひとりが木につまずき、棺が揺れた拍子に白雪姫は喉に詰まっていたリンゴのかけらを吐き出し、息を吹き返す。蘇生した白雪姫に王子は喜び、自分の国に連れ帰って妻として迎える。
 白雪姫と王子の結婚披露宴の席。王妃は真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ、死ぬまで踊らされる。



    登場人物

 白雪姫

 お妃が心に浮かべた願い通りに、雪のように白い肌、血のように赤い頬や唇、黒檀の窓枠の木のように黒い髪を持って産まれ、その身体的特徴をもって「白雪姫」と呼ばれた王女[28]。
 7歳の時、既に継母であるお妃よりも美しく育ったがために、それを妬み憎んだお妃に謀殺されそうになる。しかし言いつけられた猟師が同情し逃がしてくれる。(もっとも猟師は自分の手にかけるのが忍びなかっただけで、末は獣に食べられるだけだろうと考えていた。)[28]
王女は森の中を彷徨い七つの山を越え、偶然見つけた小人たちの家で、家事をすることを条件に暮らすことになる[28]。
だが、王女が生きていて、猟師に騙されたと知ったお妃の謀り事により、一度目はいろいろな色の絹で編んだ紐によって絞殺、二度目は魔術を使ってこしらえた櫛で術殺、三度目は毒を仕込んだ林檎で毒殺されてしまう[28]。
王女は小人たちの努力も虚しく蘇生できず、しかし、遺体があまりに美しくまるで生きているようだったので、ガラスの棺に納められ山の上に置かれる[28]。
 ある時、森に迷い込み小人たちの家に泊まりに来たある国の王子が、山の上で王女を見つけて見初め、小人たちに頼み込み王女を棺ごと貰い受けてしまう[28]。
 だが、召使いたちが棺を運ぶ最中、潅木につまずき、その揺れで喉に詰まった林檎が飛び出し、王女は息を吹き返す。
喜んだ王子は王女にプロポーズし、盛大な結婚式が執り行われた[28]。
ドイツの郷土史家エックハルト・ザンダーは白雪姫のモデルについて、1554年にブリュッセルにて21歳で身罷った、マルガレータ・フォン・ヴァルデック(ドイツ語版)だとしている。
 マルガレータは父ヴァルデック゠ヴィルドゥンゲン伯フィーリップ4世(ドイツ語版)によって、神聖ローマ皇帝カール5世に囚われたヘッセン方伯フィリップの釈放の際身柄の引き換えとしてブリュッセルに送られたが、異邦での暮らしに馴染めず病に臥し21歳の若さで1554年に身罷っている。
しかしザンダーが発見した記録によると、マルガレータの美貌に我慢ならなくなった、父フィーリップ4世の2番目の妻であるカタリーナ・フォン・ハッツフェルトは、マルガレータを城から追い出そうとする。こうしてカタリーナの大変な嫉妬深さゆえに16歳でブリュッセルの宮廷に送られてしまう。
ブリュッセルでの暮らしは困難を極め、躰を壊したマルガレータは1554年に身罷ることになるが、その死因は砒素による毒殺だとする説がある[29][30]。彼女はブロンドであったようで、エーレンベルク稿(1810年手稿)では白雪姫の髪は黄色[31] (gelb) である。
ザンダーはこのマルガレータの生涯と、バート・ヴィルドゥンゲン近郊の落盤事故で廃鉱となった銅鉱山とその近くの廃村に小人達がいつしか住み着いた話とが結び付き、白雪姫の話の原型が出来上がったと見ている[32]。
 またこれとは別の説として、モデルをバイエルン州の都市「ローア・アム・マイン」に実在した「マリア・ソフィア・マルガレーテ・カタリーナ」姫とするものもある。その地にある城郭の1つには、かつて妻に先立たれた方伯とその娘、折りの合わない継母が住んでいたといわれ、20世紀末からしばしば白雪姫城と呼ばれる[要出典]。

 王妃
 白雪姫の母親。エーレンベルク稿(1810年手稿)や初版本(1812・15年版)では実母[31][33][34][35]だが、第2版(1819年版)以降の版では、生母と継母(父王の後妻)[35]の二人になる[注釈 9]。

 実母
 雪が舞い落ちる中、黒檀の窓枠のついた窓際で針仕事中、雪を見やった際に針で指を刺してしまう[28]。
その血が三滴白い雪の上に滴ったのを見て、この雪のように白く、この血のように赤く、この窓枠の木のように真っ黒な子供が欲しいと思い、その願い通り雪のように色が白く、血のように赤い頬と唇をし、黒檀のように真っ黒な髪をした可愛らしい王女が生まれたが、すぐに息を引き取った[28]。

 継母
 綺麗なことを鼻にかけ、高慢で、器量で人に負けることが嫌い[28]。
 問いかけると何でも答えてくれる不思議な鏡を持っている[28]。
 継子の王女が自分よりも美しいことに我慢ならず、三度も王女を謀殺しようとし、最期にはその報いで真っ赤に灼けた鉄の靴を履かされ、祝宴の最中王女らの目前で死ぬまで踊り続けさせられる[28]。
 なお、継母を魔女だとする見方がある[注釈 10]が、これはかつて魔女裁判において、真っ赤に灼けた鉄製の靴を履かせる拷問が実際に行われたこと等から生まれた解釈である[36]。しかし、悪魔が塩気を嫌うことから、塩茹での肺臓と肝臓をためらうことなく平らげたことにより魔女ではないとする見方もある[37]。
 その一方で、実母が子供が欲しいと願った際に、何らかの形で呪文を唱えたのではないかという考えがある。これは冬の最中に開け放した窓辺で縫い物をしているという、現実にはありえない行為や、指に針を刺したことで雪に血が一滴落ちたことの不自然さ等から生まれた解釈である[38]

 七人の小人
 行くあてのない王女に対し、「家の世話をし、料理を調え、ベッドをつくり、洗濯をし、縫ったり繕ったりして、何もかもきちんと綺麗にしておいてくれる」ことを条件に家に居ることを諒承する[28]。
 原語の「Zwerge」は英語のドワーフ(dwarf)に当たる小人、この物語の彼らも昼間は鉱石を掘りに行くので家を空ける描写がある。
グリム童話などに措いて小人たちはあまり重要な役どころではないためか、彼らに名前や性格付けはなされていない。しかしディズニー映画に措いて重要な役回りとなったため、各々の性格や言動に則した名前が付され、現在それが踏襲される場合が多い。
 ドク (Doc) = 先生
 グランビー (Grumpy) = 怒りんぼう(苦虫[39])
 ハッピー (Happy) = 幸せ(呑気屋[39])
 スリーピー (Sleepy) = 眠い(眠り屋[39])
 バッシュフル (Bashful) = 恥ずかしがりや(照れ助[39])
 スニージー (Sneezy) = くしゃみっぽい(苦沙弥[39])
 ドーピー (Dopey) = ぼんやり または おとぼけ(抜け作[39])

 王子
 毒リンゴを食べて身罷った王女をガラスの棺ごとタダで貰い受ける[28]。
 エーレンベルク稿(1810年手稿)では、最後に唐突に登場し、王女と結婚するだけで他には何もしていない[31][33]。
 王女が「仮死状態」であると知らず「屍体」であるという認識にも関わらず、初版本(1812・15年版)で見せた特異な行動[34][35]や、第7版で見せた執着ぶり[28]から死体愛好家もしくは死体性愛者と見られることがある。

 魔法の鏡
 継母であるお妃が持っている不思議な鏡。いわゆる魔鏡の類である[28]。
問い掛けに対して何でも答えてくれるが、嘘は絶対つかないため、その内容は全て真実である[28]。





              白雪姫 1937年

 『白雪姫』(しらゆきひめ、原題:Snow White and the Seven Dwarfs)は、1937年のアメリカ映画で、世界初の長編アニメーション映画。監督はデイヴィッド・ハンド。原題は直訳すると「白雪姫と7人の小人たち」という意味になる。グリム兄弟による童話『白雪姫』を原作とする。
ディズニーの長編映画第1作目であり、世界初のカラー長編アニメーション映画。1937年12月21日公開。日本での公開は1950年9月26日。
2008年にはアーティスト、学者、評論家、歴史家で構成される1,500人以上の審査員によって選定される「AFIアメリカ映画100年シリーズ」の『アメリカ映画アニメーション部門トップ10』で1位に輝いている[2]。


              あらすじ

 むかしある城に白雪姫という美しい王女が住んでいた。白雪姫の継母である女王は大変恐ろしい魔女で、白雪姫を下働きのように扱っていた。
ある日、女王がいつものように魔法の鏡に『一番美しいのは誰?』と聞くと、魔法の鏡は『世界で一番美しいのは白雪姫』と答えてしまう。怒り心頭の女王は、手下の狩人に白雪姫を殺し彼女の心臓を持ち帰るよう命令する。哀れに思った狩人は彼女を逃し、代わりに豚の心臓を持ち帰って女王を欺く。一方の白雪姫は、森で迷った末に動物達に導かれて七人の小人の住む家にたどり着き、家事全般を引き受けることを条件に匿ってもらい、小人たちと共に楽しい一夜を過ごす。
 翌朝。小人たちが仕事に出た後、彼らの忠告にも関わらず、白雪姫は怪しい物売りの老婆を家に招き入れてしまう。異変を察知した動物たちの知らせで、白雪姫に危機が迫っていることを知った小人たちはすぐさま家に引き返し、老婆に化けた女王を退治する。しかし時既に遅く、白雪姫は女王が与えた毒リンゴを口にし息絶えていた。白雪姫の亡骸の前で涙にくれる小人たちは、死してなお崩れることのない彼女の美しさを惜しみ、埋葬することなくガラスの柩に安置して片時も傍を離れようとしなかった。
 時は流れ、白雪姫に一目惚れして以来、彼女の行方を探し続けていた王子が白雪姫の姿を見つけ出し、静かにくちづけを交わす。すると、死んだはずの白雪姫が息を吹き返した。初恋の人のキスを受けることが毒の効果を浄化する特効薬だったのだ。
平和の訪れと王子との再会の喜びを胸に、小人たちに別れを告げた白雪姫は王子と共に旅立ち、王子の国で末永く、幸せに暮らすのだった。



    キャラクター

 白雪姫(Snow White)
 本作のヒロインおよび主人公。14歳。とある国の王女で、とても美しく可憐な容姿と優しい心を持った美少女。その美貌のため、継母である女王の怒りを買い森の奥に逃れる。女王から召使い同然の扱いを受けていたため、王女でありながら家事全般をこなす家庭的な一面も身についている。
ディズニープリンセスの1人。

 プリンス(The Prince)
 白雪姫を救う王子。女王の城にいた彼女を初めて見て一目惚れをし、ずっと行方を探していた。ラストでは彼女に口づけをして死の眠りから救い、自分の城に連れて行った。

 邪悪な女王(英語版)(女王/魔女)(The Evil Queen)
 白雪姫の継母。自分の美貌を世界一と思っており、それが他人に脅かされることを断じて許そうとしない高慢かつ残酷な性格の持ち主。
自分よりも美しい美貌の持ち主である白雪姫を自らの手で殺害するため、自らみすぼらしく醜い物売りの老婆に変身し、毒りんごで白雪姫を亡き者にした直後に駆け付けた小人たちに追い詰められ、巨石を落として反撃しようとした瞬間に落雷で足元の崖が崩れ、最も忌み嫌っていた醜い老婆の姿のまま転落死するという皮肉な最期を遂げた。

 7人の小人たち(英語版)(The Seven Dwarfs)
 森の奥の鉱山でダイアモンド掘りをしている小人(ドワーフ)たち。それぞれ性格設定に基づいた名前を与えられている。また、この順番で毎日仕事場への行き帰りをする。

 ドック(Doc)
 7人の小人の1人。温和な性格で物知りなメガネをかけた小人。7人のリーダー的存在。少しでも慌てると言葉を言い間違えたりつっかえたりしてしまう。
 日本名:先生

 グランピー(Grumpy)
 7人の小人の1人。現実的で、感情的。当初はよそ者で女性である白雪姫に反発していたが、白雪姫に危険が迫っていると知ると真っ先に飛び出すなど根は優しい。白雪姫が永遠の眠りについた際は悲しみをこらえて涙を流し、目覚めた彼女と別れる際に投げキッスを送った。
 日本名:苦虫/おこりんぼ/ヘソマガリ

 ハッピー(Happy)
 7人の小人の1人。いつも、にこにこしている元気いっぱいのムードメーカー。
 日本名:のんき屋/ごきげん
 スリーピー(Sleepy)
 7人の小人の1人。いつも寝たそうな顔をしている。のんびりした性格。
 日本名:眠り屋/ねぼすけ

 バッシュフル(Bashful)
 7人の小人の1人。照れ屋で、誰を見てもすぐに真っ赤になるほど純情。
 日本名:照れ助/てれすけ

 スニージー(Sneezy)
 7人の小人の1人。花粉が苦手でアレルギーを持っているらしく、周囲の物が吹き飛ぶほどのくしゃみを連発する。本人や周囲の悩みの種でもある。
 日本名:くしゃみ

 ドーピー(Dopey)
 7人の小人の1人。なぜかしゃべらない。白雪姫の事が大好き。小人の中では唯一髭が無く、見た目も振る舞いも子供のようなあどけなさである。ごきげん曰くどもり屋らしい。
 日本名:抜け作/おとぼけ/マヌケ
 ウォルト・ディズニー自身によると、ドーピーが喋らない理由は、自分が「喋ろうと試みたこともないから」である(実際には、ドーピーのイメージにぴったりの声優が見つからなかったためといわれる[4]。また、サッカーブラジル代表チームの監督であるドゥンガの名前は彼にちなんでいる。

 魔法の鏡(The Magic Mirror)
 物知りの鏡。問いかけに対しては常に実直に答えるため、白雪姫を危機に陥れてしまう。
ハウス・オブ・マウスではお店に飾られており、ミッキー達の悩みの相談をすることがあるが融通が利かないことが多い

 狩人(Humbert The Huntsman)
 女王の手下として仕える狩人。女王の命に従い、白雪姫を森に誘い出して殺そうとするが実行に至れず、白雪姫を森の奥に逃がして帰ってこないよう念を押し、豚の心臓をダミーとして献上した。
 (wikipediaより抜粋、自動翻訳使用)