鳥



 『鳥』(とり、The Birds )は、1963年のアメリカ合衆国の映画。ジャンルは生物パニックもののサスペンス。アルフレッド・ヒッチコック作品。原作はダフネ・デュ・モーリアによる同タイトルの短編小説。1970年代に量産された動物パニック映画の原点でもある。近年再映画化されています。
 主演ティッピ・ヘドレン。ロッド・テイラー、ジェシカ・タンディ、ヴェロニカ・カートライト、スザンヌ・プレシェット、エセル・グリフィス。




 若いソーシャライトのメラニー・ダニエルズ(ティッピ・ヘドレン)は、サンフランシスコの小鳥屋でミッチ・ブレナー(ロッド・テイラー)と出会う。ミッチは、11歳になる妹の誕生日プレゼントにつがいのラブバードを探していたが、店内にはなかった。彼は以前メラニーと会ったことがあると言うが、彼女は覚えていない。ミッチに興味を持ったメラニーは、カリフォルニア州ボデガ・ベイの彼の住所を探し出し、彼を驚かそうとつがいのラブバードを購入した。何時間もかけて運転し、モーターボートで湾を渡り、ミッチの家の中に手紙とラブバードをこっそり置いていく。彼は、水上を逃亡中の彼女の姿を見つけ、彼女を捕まえるために海岸沿いを車に乗って先回りをする。しかしその途中、彼女は突如カモメに攻撃され、額に怪我を負う。ミッチは、彼女を夕食まで残るように諭し、メラニーはしぶしぶ承知する。
 メラニーはミッチと次第に仲良くなり、子離れしないミッチの母親リディア(ジェシカ・タンディ)や妹のキャシー(ヴェロニカ・カートライト)とも会う。また、メラニーは地元の小学校の先生であるアニー・ヘイワース(スザンヌ・プレシェット)とも友達になるが、後にアニーはミッチの元彼女だと判明する。その日の夜、メラニーがアニーの家に滞在中、カモメがドアに突撃してそのまま死んでしまう事件が起きる。さらに翌日のキャシーの誕生パーティで、子供たちがカモメの大群に攻撃され、夜には大量のスズメがブレナー家に侵攻する。さらに次の日リディアは、近所の住民が鳥に殺されたのを発見する。リディアは連日続く鳥の脅威に怯え、メラニーに学校にいるキャシーの様子を見に行ってほしいと頼む。様子を見に来たメラニーが学校の外で授業が終わるのを待っていると、背後に膨大な数のアメリカガラスが集まっていることに気付く。恐怖に圧倒された彼女は、教室にいるアニーに警告し、子供達を避難させるために外へ飛び出す。鳥は逃げ惑う彼らを攻撃し、何人かの子供が怪我を負った。
 その後メラニーは、地元のレストランでミッチと落ち合った。何人かの客は、自分たちが遭遇した奇妙な鳥の様子を口々に語っていた。ある酔っ払いは、世界の終わりだと信じ、巡回セールスマンは全ての鳥は全ていなくなればいいと言う。アマチュア鳥類学者は、「違う種類の鳥は一緒に集まらない。鳥が攻撃したという報告は何かの間違いだ」と主張した。若い母親は、彼らの会話によって次第に不安を感じ、子供達を怖がらせるのをやめるように彼らを叱る。
 その時、レストランの外で車に給油をしていた人が鳥に攻撃されて気絶し、ガソリンが道に流れ出し始める。メラニーは、流れ出たガソリンに気づかずにタバコを吸おうとしているセールスマンを発見する。メラニーたちは店の中から必死に叫んで警告するが、セールスマンに声は届かず、彼はタバコに火をつけマッチを落とす。火はたちまちガソリンに引火し、セールスマンは炎に包まれ、ガソリンスタンドは大爆発する。状況を把握すべくレストランから出た人々を鳥の大群が襲い、パニックになる中メラニーは電話ボックスに逃げ込む。そこへ駆けつけたミッチが彼女を救助してレストランに戻ると、先ほどの若い母親がメラニーに詰め寄り、メラニーを鳥の攻撃の元凶だと罵る。メラニーとミッチがアニーの家に行くと、アニーがキャシーを鳥の攻撃からかばって亡くなっていた。
 メラニーとブレナー一家は、窓などに板を打ちつけて家に立てこもった。次から次へと鳥が家を攻撃し、板を貼ったドアや窓を突き破ろうとする。夜になり攻撃が一旦収束し一同が眠る中、メラニーは上階から物音がすることに気付く。彼女が一人で上階のキャシーのベッドルームに行くと、大量の鳥が屋根を壊して入り込んでいるのを発見する。鳥の激しい攻撃にメラニーは気絶してしまうが、騒ぎに気付いたミッチが彼女を部屋から助け出した。酷い怪我を負ったメラニーを見て、ミッチは彼女を病院に連れて行くことを決意する。カモメが家の周りをびっしりと取り囲み威嚇していたが、ミッチはなんとかメラニーの車を車庫から出した。カーラジオでは鳥の攻撃は近隣に拡大していると報告し、市民レベルではこの怪奇な攻撃に対抗することが不可能なため、州兵の出動を提案していた。何種類もの、何千羽もの鳥がブレナー家のまわりに密集する中、メラニー、ブレナー一家、ラブバードを乗せた車はゆっくりと進んでいくのだった。 (Wikipediaより)