関西電力原子力発電の紹介


   
  大飯原発概要

 若狭湾に突き出した半島の先端部分に位置する。発電所から3kmほどの若狭湾内には、北西から南東方向に伸びる断層が存在する。施設内にも活断層が存在する、という見方も存在する(「活断層の疑い」を参照)。また、山がちの半島の先端に位置するため、大地震、津波などが起きた際には、発電所と外部を結ぶ道路が寸断され、発電所が孤立する危険があるとの指摘もある[6]。

 建設費抑制のため原子炉を一度に2機分を建設する方式が採用されており、タービン建屋1棟で2機分収める構造となっている。

 原子力事故への対応として、1号機と2号機には、アイスコンデンサ方式という他の原子炉にはない方式を採用している。これは、格納容器の周りに設けられた1,944本のバスケットに、ブロック状の氷を入れ、事故時に発生する蒸気を急速に冷却し圧力をさげる方式である。アイスコンデンサーには常時1,250トンの氷が格納してある。この方式により、格納容器の体積は同クラスのものより小さい。

 その後、3号機と4号機には格納容器のコンクリート壁内部にPC鋼より線(テンドン)を入れて、あらかじめ格納容器全体を締め付けておき、事故時に発生する大きな圧力に耐えるプレストレストコンクリート製方式が採用されるようになり、この方式の採用はこの2基に留まった。

2005年12月22日午前8時50分頃、大雪と強風のために送電線にトラブルが発生し、自動停止した。2011年7月16日、調整運転中の1号機で、C-蓄圧タンク圧力の低下により同機の運転を手動で停止した。


 シースルーで公開されていたコントロールルームの様子(1993年5月撮影)
大飯発電所のPR施設として、おおい町大島に「エル・パーク・おおい」がある。おおいり館は発電所を1/3で再現する。

 発電所の内部をガラス越しに軽装で見学できる「シースルー見学施設」が4号機に設けられていたが、現在はテロ対策のために見学できない。代替措置として、おおいり館の中でシースルー見学施設の内容を上映している。


番号  原子炉形式     主契約者   定格電気出力 定格熱出力 運転開始日  設備利用率  現状
                                          (2009年度)
1号機 加圧水型軽水炉(PWR) WH、三菱商事 117.5万kW 342.3万kW 1979年3月27日   85.6%   定期点検中
2号機 加圧水型軽水炉(PWR) WH、三菱商事 117.5万kW 342.3万kW 1979年12月5日   93.2%   定期点検中
3号機 加圧水型軽水炉(PWR) 三菱重工業  118万kW  342.3万kW 1991年12月18日  78.5%   定期点検中
4号機 加圧水型軽水炉(PWR) 三菱重工業  118万kW  342.3万kW 1993年2月2日   87.6%   定期点検中

 大飯発電所で想定される地震の強さは700ガル、津波の高さは1.66mから1.86m[7]。







 1969年12月12日 - 関西電力高浜発電所1号機に対する設置許可[3]。
 1970年11月25日 - 2号機に対する設置許可[3]。
 1974年11月14日 - 1号機の営業運転開始[3]。
 1975年11月14日 - 2号機の営業運転開始[3]。
 1980年8月4日 - 3・4号機に対する設置許可[3]。
 1984年4月17日 - 3号機の営業運転開始[3]。
 1984年10月11日 - 4号機の営業運転開始[3]。
 2010年12月 - 3号機の原子炉にMOX燃料を装荷、調整運転開始(詳細は#プルサーマル計画)。
 2011年1月10日 - 定期点検のため1号機の運転を停止[4]。
 2011年1月21日 - 3号機でのプルサーマルの営業運転開始(詳細は#プルサーマル計画)。
 2011年7月21日 - 定期点検のため、4号機の運転を停止[4]。
 2011年11月25日 - 定期点検のため、2号機の運転を停止[4]。
 2012年2月20日 - 定期点検のため、3号機の運転を停止[4]。
 2014年12月6日 - 住民らにより、3・4号機の再稼働の差し止めを求める仮処分申請がなされた[5]。
 2015年2月12日 - 原子力規制委員会が、停止中の高浜発電所再稼働の前提条件となる審査に合格したことを示す審査書を出した。これは、高浜発電所を轄している関西電力の原発に関する新しい規制基準に適合したものであることを示している。[6][7]
 2015年4月14日 - 福井地方裁判所が、高浜発電所の3号機と4号機について、関西電力に再稼働を認めない仮処分の決定を出した[8]。
 2015年12月24日 - 関西電力の異議申立を受けた異議審において、福井地裁が再稼働差し止め仮処分を取り消し[9]。
 2016年1月29日 - 3号機再稼働[10]。
 2016年2月4日 - 3号機定格熱出力一定運転を開始[11]。
 2016年2月26日 - 3号機本格運転を開始[12]。4号機再稼働[13]。
 2016年2月29日 - 4号機緊急停止[14]。4号機が緊急停止したのは1999年10月27日の京都大停電以来で[15]、関西電力としては2008年11月送電線への落雷美浜原発が緊急停止して以来[16]。
 2016年3月9日 - 大津地方裁判所が、高浜発電所の3号機と4号機について、関西電力に運転停止を命じる仮処分の決定を出した[17]。
 2016年3月10日 - 仮処分を受けて3号機停止[18]。
 2016年6月20日 - 1号機・2号機について、原子力規制委員会は、運転を最長20年間延長することを全会一致で認めた。建設から40年超のいわゆる老朽原で審査に合格し延長が許可されたのは初めてである[19]。
 2017年3月28日 - 前年3月9日の仮処分を不服として抗告していた関電に対し、大阪高等裁判所が抗告を認め、3号機と4号機の運転を認める決定をした[2。
 2017年5月22日 - 4号機について、6時にタービン起動。14時に調整運転(発電機並列)での運転を開始し発送電も再開した[21]。3号機についても2017 月を目処に再稼働の準備をしている[22][23]。
 2017年6月16日 - 4号機が原子力規制委員会から最終的な検査の合格証を受け、営業運転に移行した。一方、今月の6日に再稼働した3号機は11日夜から ル稼働中。7月3日から規制委の最終検査を受ける[24]。
 2017年7月4日 - 3号機が原子力規制委員会の最終検査を完了し、営業運転に移行した[25]。