端ない女

 鈴木次郎は社内結婚をした妻が居り、共稼ぎで頑張って居ったがやや子が中々出来無かった。其の妻の華枝が上司として赴任して来る事にあい成って大変な事に成ってしまった。妻が課長なので有った。会社で散々偉そうな事を言って居る課長の妻が傍で子供見たいに安心しきって寝て居るので有った。子作り等する気には成らなかったので有った。
 勤めて居る会社が大手商社に買収され、合併統合されてしまったので有った。見知らぬ人が商社から遣って来ては彼是言い出すので有った。妻も配転を言い渡された。体裁の良い左遷で有った。妻の華枝は見知らぬ人に彼是言われ指図されるのが嫌に成り会社を辞めてしまい、子作りに専念する気らしい。
 主婦は三食昼寝付きの気楽な仕事で有った。野良猫に一度餌を遣ると家に居付いでしまった。昼寝をすると決まって何処からか遣って来ては御腹の上で寝るので有った。腹を空かすと足に纏わり着き甘えるので有った。何やら退屈でも有った。妻はパソコンを買って、インターネットの通販に取り付かれ居ったがインターネットバンキングに興味を持った。預金残高の照会や振替、振込み、送金が銀行の窓口に行かなくても出来、誠に便利で有った。外貨預金をしたり、投資信託を買ったり、個人向け国債を買ったり、外貨建て債券を買ったり、外貨建てMMFを買ったりして居ったのである。自分の口座丈では飽き足らず、勝手に夫の資産も自分の物にしてしまって居ったので有る。其の内投資に興味を持ち出し、インターネットトレードを始めてしまった。夫の御金で株の売買を始めてしまったので有る。夫には内緒でで有る。最初はミニ株で取引をして居ったが其の内欲が出て来てしまったので有る。会社から振り込まれた夫の賞与までも勝手に使ってしまったので有った。呆れた果てた女房で有った。
 女は合併統合した或る関西の大手都銀に目を付けた、80円の株が其の内、100円に成ると確信し、株価が下がる度に買い増しして居った。夫の資産の大部分を其の都銀を含む銀行株に投資してしまったので有った。80円の株が100円に上がれば20円の儲けで有る。株数が多く成れば可也の儲けに成ると思って居ったので有る。下がるとは努々思わ無かったので有る。株主総会にも出席する程の気の入れ様で有った。だが或る日の事、女がテレビのワイドショーで其の関西では有名な大手都銀の破綻懸念が有る事を聞いて唖然としてしまった。関西では余りのも有名な大手都銀が破綻するとは誰も努々思わ無かったので有る。其の内インターネットバンキングで取引の有る大手証券会社から警告の電話が入った、其の都銀に破綻の懸念が有ると言う物で有った。銀行が破綻、倒産すれば株券は紙屑に成ってしまうので有る。破綻懸念のニュース、以前に長銀の事実上の破綻話も有り、女は慌てた。女は夫に相談もせず、取り合えず半分を売却する事にした。80円で買った株を47円で売てしまったので有る、33円の損で有った。其の後も恐ろしく成り全部売却してしまったので有る。紙屑に成れば全財産が消えたので有るが半分以上は取り合えず残ったので有る。儲けて居った株も全部売り払ってしまったので有る。其の儲けで少しは損を抑えられたのでは有るが。
 しかしで有る。2兆円に近い公的資金の注入で其の銀行は破綻しなかったので有る。事実上の国営銀行に成ってしまったが倒産はしなかったので有る。公的資金の注入で上がる筈の無い株価が次第に上がり出したので有る。惨い話で有る。何もしなければ可也の儲けで有った。今や当時の数倍の値が付いて居る。女は大損を放いたので有る。
 女は損を償う為に仕事を探し出したが一度辞めてしまうと、再就職の厳しさを思い知らされたので有る 夫の銀行口座の預金残高が何時の間にか三分の一も減ってしまって居るのを、何時までも隠し切れずに到頭分かってしまい、散々叱られてしもうた。叱られて居る最中に催してしまい困った事に。
「株には下がるリスクが伴う事を知らなんだのか・・・」「憚りに行かせて」
「卵を一つの篭に盛るなと言う教訓を知ら無かったのか・・・」「御手水に行かせて」
「他人の銀行口座の御金を勝手に使って心が痛ま無かったのか・・・」「御不浄に行かせた」
「彼の大臣の事やから公的資金の注入も有り得るとは思わ無かったのか・・・」「御便所に行かせて」
 女は前を押さえれ必死で我慢して居ったが夫は意地悪で変態性欲の気が有るのか行かせなかった。其の内女は我慢が出来無く成り、押さえて居た手の中で暖かい物が迸り出てしまい、止め様が無く、スカートを淫らに濡らし、床に大きな水溜りを作った。猫は臭いを嗅いだら何処かへ行ってしまった。
「華枝たら端ない」恥ずかしさの余り放心気味の妻を寝間に連れて行き、犯してしまう意地悪亭主で有った。妻は犯された上にやや子が出来てしまったので有る。妻は尿垂れをして罪を償ったので有った。夫は二度と妻を責め無んだのを良い事に、勝手気儘な事をしては端ない事をし続けて居ったので有る。野良の三毛猫も呆れ顔で有った。
 女は株に懲り、最近は投資信託や外貨建てMMFや外貨預金、特にニュージーランドドル等に取り付かれ居ったが、其のニュージーランドドルも下がり気味で有る。又、損をしよるので有ろうか。
 余りの長い間の異常な超低金利時代の円貯金では有ったが、金融緩和政策の終焉を迎え最近金利が僅かだが上げる銀行も出始めた。今後は公定歩合の上昇も期待出来。世の中の金融政策も少しずつ変わって行くので有る。米ドルの金利も相次ぐ利上げで可也上がった。
 妻の華枝は男の子を産み落としたが、高齢出産は大変でも有る、産後何やら下の閉まりが悪く成ってしまい、妻は悩んでしまった。女性に多い尿失禁症で有る、咳をしたり、重い物を持ったりするとチビルので有った。女は下の閉まりを良くする為と称しは、排尿を我慢してはモジモジと淫らな格好をしては夫を挑発するので有った。洩らす寸前の快感を楽しんで居ったので有る。女は其の度に夫の前で下着を脱ぎパンツの染みを夫に見せたり臭いを嗅いだりして居ったので有る。女も変態の気が有ったので有る。猫はそんな女が好きで臭い付けを行うので有った。
 其の内、妻は又身篭ってしまい、やがて女の子を産み落とした。妻は子供が二人も出来、生活費が嵩みケチに成ってしまい、夫は小遣銭にも事欠く始末に成ってしもうた。歳行ってからの子は、学校に行ってからも大変で有る。若い父母の多い中、祖父母と間違われそうでも有る。しかし、妻の華枝は良き母と成り夫の為に尽くした。子に勝る宝は此の世に無く。古今東西其の価値は変わって居無い。御金の損位又稼げば良いので有る。

            卵を一つの篭に盛るな。華枝の教訓で有った。



            2006−04−09−116−01−OSAKA



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