玉石混交

 ダイヤモンド(金剛石)は宝石の女王でも有る。最高の硬度と屈折率、清楚で無垢な輝きは婚約指輪としての需要は他の比では無い。無色透明に輝き、無垢の心の象徴か、総ての色に染まりたい花嫁の思いが有るのか。但し、火には注意しましょう、燃えるので有る。後には灰も残ら無い。宝飾店の広告には宝石を鏤めた様な美しい言葉が並ぶ、誕生月の宝石も有り、宝石言葉も有り、カットの話、歴史有り、宝石に纏わる愛の逸話有りで有るが、大枚の御金を払わ無いと手に入ら無いので有る。広告の宝石よりモデルの女性に興味が起こるのも男の不思議で有る。宝石に対する憧れは何も女性丈の物では無い。燃える様な血の色のルビー(紅玉)、賢者の象徴的な格調高いサファイア(青玉)、生命の緑のエメラルド(緑玉)、トパーズ(黄玉)、焼くと色の変わるアゲート(瑪瑙)、昆虫の化石も見つかるアンバー(琥珀)、ラピスラズリ(瑠璃)、阿古屋貝のパール(真珠)、ジェード(翡翠)、キャッツアイ(猫目石)、ガーネット(石榴石)、クオーツ(石英)、・・・    
 庶民は宝石の本を見て溜息丈の人生で有る。男に高価な宝石を買わして、愛を確かめる積りなのか。女の甘い甘え声に騙されて、衝動買いして後で詐欺だと気が付いても後の祭りで有る。
 生物が作り出す、珊瑚の中にも宝石に匹敵する高価な物も有る、真珠で有る。真珠は阿古屋貝が作り出す日本的な宝石で有る、其の白い気品高い輝きは他の宝石にも見劣り為無い。色の黒い黒真珠も有る。
 宝飾店の華麗な宝石は人の心を捉えて離さ無いが、原石の採掘と成ると今だに原始的な工法で採掘されて居る場合も有る。地中深く竪穴を掘り、土砂を掘り、泥を洗い落とし、砂利の中から宝石の原石を撰別為るので有る。一回目の撰別が終わると、少し下の次の各の人が2回目の撰別を、2回目の選別が終わると更に下の次の各の人が3回目の撰別を、最後の人が撰別を終えて初めて砂利は捨てられるので有る。勿論見逃しも有るので有る。観光客が其の捨てられた砂利の中から宝石を見つけて猫糞しても文句を言い出す人も居無いし、罪には成ら無いので有る。見つかればの話で有る。砂利の石の中から宝石の原石を見つけ出すのは観光客には至難の業で有る。宝石は研磨して初めて輝くので有る、見つかる筈も無い。観光客は輝く綺麗な石ばかりを探すので有る。輝く綺麗な石が価値有る宝石とは限ら無いのが重要な事で有る。
 又、観光客相手に其の砂利が一杯何ぼで売られて居たり為るので有る。宝石を見つければ儲け物で有るのだが。砂金取りの砂の様に予め、少しは観光客が喜びそうな宝石紛いの物を入れて有るので有ろう。日本でも翡翠の取れる海岸も有る、観光の目玉でも有るが、売れる程の質の良いものは滅多に採れ無い。砂金も黄金色に輝いて居るとは限ら無い場合も有るので注意が必要か。赤銅色の場合も有る。映画で折角奪い取った砂金の袋の中に輝く砂金で無かった為に狂気に成って破き捨て撒き散らしてしまう場面も有った。宝石の原石も其れ程綺麗では無いので有る。研磨を終、宝飾店のガラスケースに飾られ強力なライトの照明を受けて初めて輝くので有る。
 誕生石を大事にする人も居る。生まれた月によって人の運命が変わる筈も無いのに、星座占いに託けての事で有ろう。宝石も花言葉の様な宝石言葉が有り、思いを込める事も出来る。思いを込めて宝石を大事な人に贈れば良いので有る。
 世界の昔話には、宝石と鳥の話が多い、鳥は輝く物が好きなのか、砂嚢に入れる石ころが必要なのか、鳥が石ころを食べるのが余程不思議で有ったので有ろう。猫に小判、豚に真珠の類で有る。駝鳥にダイヤモンドで有る。


 人生においても自分の才能を見つけ出せた人は幸せ者で有る。多くの人は努力の割には成果が上がって無いのが現状で有る。人は自分の才能は見え無くても人の才能に気が付く場合も有る。かって甲子園の高校野球で5打席連続敬遠をされた選手が居た。あの松井秀喜選手で有る。野球のルールで許されて居乍、高校生らしく無い卑怯な事の如くに散々顰蹙をかった当のピッチャーが記者会見で、「松井君さえ居なければ、普通の高校生のチームだし・・・、松井君はプロ野球でも遣って行ける選手だし・・・」と、其の後其の通りに成った。日本のプロ野球は勿論、大リーグでも遣って行けたので有る。世間は皮肉でも有る。松井秀喜選手の名は世界に轟き、ミュージアム迄出来て居るので有る。日本のプロ野球に飽き足らず、大リーグを夢見て大リーグに行けたが遣って行け無かった選手も居る。矢張り大リーグは凄いので有る。先人の野茂投手も苦戦で有る。ホームラン合戦の多い大リーグで、一郎選手の様な堅実な打撃作戦は日本人の誇りでも有る。
 以前にNHKでピアノ教室の番組が有った。講師は世界的に有名なピアニストの大家で有る。生徒はと言うと譜面を見ずに引ける程の生徒で有った。才能とは各の如き物かと思い知らされました。若くして大きな賞や金メダルを頂いてしまい、後が続かず苦労する人も居る。オリンピックで金メダルと獲得してしまうと、次も金メダルしか無いので有る。世間は非情でも有る、銀メダルでも凄い事の筈なのに。余りに重い期待にそぐえ無い焦りも起こる。

 世の中きな臭く成たり、戦争の足音が聞こえたり、株が暴落したり、為替が大きく変動したり、外貨が政変で支払われ無く成る懸念が出たり、爆弾テロが後を断たず、世界平和が急務に成って来ると、人は自己防衛の為にか、永遠の価値を宝石や金塊に求めたりする。身に付けて居れば盗まれる事も無い。盗賊に襲われた時、宝石を飲み込んでしまう旅人も居たし。又、下剤を呑ませて宝石が出るのを待つ盗賊も居た、汚い話では有る。
 ダイヤモンドは需要と供給が管理されて居て、暴落する事は少無い。世界平和が急務の現状では需要が無く成る事は少ないが、「身体に異物を着けず」と言う言葉も有る。余計な金属は身に着けずに越した事は無い。金属が身体に悪影響を及ぼす場合も有るので注意が必要で有る。イヤリング用に自分で耳タブに穴を開ける女性すら居る、化膿して大事に至る場合も有る。手術をするには資格が居るので有る。大きなイヤリングに興味を抱く紳士が居るとは思え無いが、ヨーロッパの女性は平気で大きなイヤリングをして居る女性が多い。
 世の中にはプロへの登竜門的な賞が文学賞を初め色々有る。入賞者は輝く才能が認められプロとして遣って行けるので有る。収入も増えるので有る。世の中には賞も取れず、プロの夢を絶たれた人も多い、しかし思いを捨てきれず趣味で作品を書き溜めて居る人も多い。其の作品群は死ねばゴミとして捨てられてしまうかと思うと悲惨でも有る。人目に付く機会も無いのも悲しい事では有る。苦労して書いても、見る人すら居無いので有る。人の喜びそうな事を書けば良さそうだが、其れが出来無いので有る。登竜門的賞も数多の砂利の中から玉を見つけ出す絶好の機会には違い無いが、磨かれる事も無く見捨てられる玉の何と多い事か。学校教育は悪玉を見つけ出すのに躍起に成って、真の玉を見つけ出す努力は余り為されて居無い様に思える。教育基本法を改悪し、愛国心を説き、喜んで御国の為に命を捧げる若者を作ろうてして居る。進駐軍に押し付けられた憲法では有るが、世界に輝く金剛石の如くの日本国憲法を改悪し雑石に改悪しようと言うので有る。
 賢い政治家の二枚舌に騙されて人は簡単に玉を石と思って捨て去てしまうので有る。砂利の中に捨てられた玉は二度と見つけ出す事は出来無い。消費税率の引き上げの目論見も必至で有る。其の時に天に向かって文句百垂れ言っても、誰も助けて呉れ無い。見た目の輝きに騙されずに玉と石の違いを見分けられる眼力を養いましょう。政治家は玉虫色の答弁で人を騙します。



            2006−07−15−144−01−OSAKA



                     HOME
                  −−戻る 次へ++