ほっとした時

 身も凍る辛い冬を生き抜いた人が、春に成り桜の花も咲き暖く成りほっとする時期を迎えると、亡くなる人が何故か増えて着ます。又、茹だる様な猛暑の真夏を生き抜いた人が、秋に成り涼しく成りほっとする時期を迎えると、又亡く成る人も増えて来ます。
 ほっとするのも考え物で有る。長年辛い仕事に奉職して来た人が、定年退職に成ってほっとして亡くなる人も居ます。ほっとする事が命を縮めるとしたら、余にも皮肉な事では有る。
 戦時中、戦艦が魚雷の攻撃を受けて沈没し、三日三晩荒海を生き抜いた人を救助した時、遭難者が助かってほっとして死な無い様に、ひっ叩きつ続けるそうな。命の不可思議が其処に有ります、其れを暴力と言っては成ら無い。原子爆弾の火の玉の地獄を見た人が、一日中水を求めて、焼け野原の街の中を彷徨い歩けた人が、やっと水辺に辿り着き、水を飲みほっとしたら水辺の周りで全員が朝には亡く成って居たとか。
 必死に成って大学受験の為に丈に勉強した高校生が、大学入試に合格し、ほっとして遊び呆ける大学生も多く成って来ました。仕事も上手く行き出し、ほっとし出すと妻以外の女に現をぬかす人も居ます。
 長年子育てに必死だった女性も、子供が結婚して家を出て行ってしまうと、死な無いまでも、急に老け込む人も居ます。田畑を持って居る人は幸せ者で有る。農業は定年は無いし、手間は掛かるが、毎年収穫の喜びを与えて呉れます。自然の恵みの中では、長生きも出来そうです。
 役目を終えた生き物は、此の世から消え去れと言う事か、大自然の法則には例外は許され無いが、自分の体に鞭打ってでも長生きして、世の中がどの様に変わるか見届けたい物で有る。
 人の人生は辛く、過酷で有る、滅多に幸せを感じる時は少ないが、偶然に途方もない幸せを得て可笑しく成ってしまう人も又居ます、偶然にバケツ一杯の砂金が採れて気が変に成ってしまった人も居ます、宝籤に当って自分が可笑しく成るのを恐れて決して買わ無い人も居ます。人の人生も又様々で在る。結婚して後悔する人も居れば、結婚出来無かった事を悔やみ乍、一人暮らしを続ける人も居ます。
 しなかった事を後悔するよりは、して後悔する方が良いようにも思えますが、人も又様々で在る。



                    へちま(糸瓜)

 瓜科の仲間には変な物が多い、形のユニークな瓢箪を初め、乾かすとユニークな食材に成る干瓢、糸瓜も若い内なら食べる地域も在るそうな。茹でると素麺の様に成る変な黄色いそうめん瓜、糸瓜は形は立派だが食べられず、役の立たない物の代名詞に成ってしまったが、実際は色々と役に立って居たので在る。昔は糸瓜たわしは洗い物には無くては成ら無い物で在った。薬にも化粧水にも成ったので有る。
 若者が老人の事を糸瓜の皮程度にしか思って居ないとしたら、大変な事で有る。体力が衰えるのは仕方が無いが、気力は若者と変わら無い人も多い。若者の知ら無い、昔の事を知って居ると言う事は、貴重な事で有る。戦後の何も無い時代から、今の豊かな日本を築き上げて来た、高齢者を糸瓜扱いにする、政治家や、企業主が居るのには心外で有る。高齢者にもっと想い遣りの有る政策が望まれます。


                     黄金の泪

 日本人の多くが、ヨーロッパの若者が信仰深いとは思って居ないが、実際は以外にも信仰深いので在る 法王の病が重いのを悲しんでは泪を流し、法王が逝去されたのを悼んでは泪を流す若者が居ると言うのには驚きで在る。法王の母国のポーランドの若者の多くが、態々葬儀に参列する為にイタリアまで出かけたらしいです。日本の若者は大学入試の前や、元旦には神仏を拝むが信仰心が在るとは思えない。しかし変な宗教に取り付かれてしまう若者も多い。地下鉄でサリンを撒いた教団でも未だに改宗出来無いで居る若者も居る。最高学府を修め、物理や化学の窮めた若者が、何故その様な事に走ったのかは、未だに謎で在る。人の深層心理の業の深さを思い知らされます。
 法王の言動は世界をも動かす力が在るのには、宗派の全く違う日本から見れば不思議な事では有る。法王が変われば、世界も変わる可能性も有ります。
 謝罪と和解。ローマ法王ヨハネ・パウロ二世が百三十近い国を説いて廻った、率直な平和への提言は、第二次世界大戦ごずっと固くしこった儘だった対立の構図を、次々に解して言った。冷戦の緊張を緩め、宗教対立の猜疑を解かし、宥和が世界に広がった。しかし、生命感の価値観の激変に対しては、法王は余に神に忠実に、伝統を堅持した。生命の誕生や死を、人が操作し決定するのは人類の驕りと退けた。
 其の決定には誰も上訴や請願が出来無い神の代理者の後継は、鍵の掛かる場所を意味する法王選挙会(コンクラーベ)で八十歳未満の枢機卿の投票で決まる。
                                   (日本経済新聞記事参考)



                              2005−04−10−OSAKA



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