百華繚乱

 数多の花が庭に咲き乱れても、主無き庭園の悲しさよ。花の主が居てのこその楽園で有る。
 男は花を愛でるよりは、実を欲しがるもので有る、花を見て居る丈では腹が膨れ無いからで有る。テレビの料理番組も見て居る丈で食べられ無い。素敵な恋愛映画も他人の恋を見て、感情移入の錯覚で自分が恋をしたかの様な錯覚に陥るが、映画館を出た瞬間に忌まわしい難儀な現実に戻る事とあい成る。
 NHKの連続テレビ小説は特別な存在でも有る。毎日見るものだけに印象も強い。毎日見る女性ニュースキャスターも印象が強い。知名度を利用して選挙に出馬する人迄居る。連続テレビ小説の物語は題名が変われば変わって居る筈で有るが、何故か同じに思えてしまうのも不思議で有る。善男善女向けに悪人も少なく、画に画いた餅の様な印象も受ける。紙芝居の手法でも有る、良いところの一つ手前で終わって続くので有る。毎日見て居たスペインのニュースの人気女性キャスターが或る日突然スペインの皇太子と結婚してしまった事が有った。日本でも湯水の様に御金を使った、豪華絢爛たる婚礼の模様を見た人も多い筈。毎日TVEのニュースを見て居た人は唖然とした筈。
 最近はテロリストに因る爆弾事件を懼れてか、駅の便所に塵箱が無く成り、朝の清掃前の便所を汚いと嘆く人も多かったが、最近便所に花が飾れれる様に成った。便所の汚れも以前よりはましに成った。花の御蔭でも有る。荒んだ人の心を癒し、汚すのを思い止まらせる力が有るのか。オフィスに花は必要無いと合理主義の人も多いが、西洋の古い映画を見て居ると、日本の生け花の様にオフィスに花が飾られて居るのを目にする事も多い。花を愛でて居たのは日本丈では無かったので有る。
 入院した人の見舞いには、鉢花は寝つくと言って嫌われる、病が重く成って、点滴治療と成っては果物の甘い匂いも酷い仕打ちと成る。花の値段が病の重さと関係して来る。ケチな人が豪華な花束を持って見舞いに来る様に成れば病の重さを自覚、認識しなければ成ら無い大事な時期でも有る。肝に銘じて置くべき大事で有る。高価な綺麗な豪華な花束が無駄に成る悲劇も多い。
 葬式には花は付き物でも有る。花には極楽浄土のイメージが有る為でも有る。金木犀の匂いは特に強く行った事の無い極楽浄土の匂いがする。葬式の祭壇を丸一日飾る丈であの値段で有る。終わった後には領収書一枚丈が残る。祭壇の値段を抑えて花を大量に飾れば可也豪華な葬式に見える、花の魔術でも有る。合理的な錯覚の応用も有る。御金は有効に使うべきでも有る。
 森理世様が48年かぶりに日本人が由緒有る国際的な美人コンテスト、ミス・ユニバースに選ばれた。1959年の児島明子以来の快挙で有る。日本人が最高の栄誉の王冠を頂き、世界中の女性が溜息を吐いた。東洋人は欧米の人にとっては異国情緒を感じるのか、昔から憬れも強い。日本の男性の好みと若干の差も有る様でも有る。選ばれて置き乍太ってしまい、名誉有る称号を剥奪されてしまった人まで居る。選ばれると急に有名に成ってしまい、収入も増え、食生活が乱れる為で有ろう。美人コンテストを女性の華比べの様だと非難する人も居る。昔、華比べと言う優雅な遊びも有った。珍しい綺麗な花を持ち寄り、綺麗さを競い有ったので有る。大枚の御金を叩いて珍しい黒百合を探し求めたりもしたので有る。現在では花屋で鉢植えが売って居たりもしますが。西洋ではチューリップの新種に家が買える程の値が付いた事も有る。薔薇の新種に日本の皇后の名が付けられたりもした。日本の奥床しさに憬れての事で有ろう。以前は青い薔薇は寓話の中の魔法の世界で有ったが、最近は青い薔薇も作られた、有り得ない華が咲いたので有る。其の内花屋でも売られる事で有ろう。
 花は人の足の踏み入る事の無いジャングルでも咲き乱れるので、人の為に咲いて居るので無い事は確かな様で有る、真夜中に咲く月下美人等も有る。睡蓮や蓮の花は穢れた泥の中に有って、清楚な花を咲かせるので仏花と呼ばれ、特別な宗教的な思いも有る。
 大奥は贅の限りを尽くた、豪華な衣装や、調度品や小道具、華やかな世界と裏腹に陰湿な権力闘争、虐め、嫉み、嫉妬、禁断の同性愛、欲望の逆巻く心の深層を描いた、女優達の百華繚乱、百華嬌艶の世界でも有る。江戸の優美に京の気品が加わった幽玄の世界でも有る。何度もドラマ化、映画化されて居る。美しい日本語のナレーションで懐かしいテレビドラマも有った。懐かしい御国言葉が花咲いた。
 年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからずと人生の無常を詩で詠われて居る。日本の国花の桜は散り際の潔さで、戦争映画、特攻隊員の悲話に象徴的に出て来るが、映画の中の凛々しい男性に憬れる女性も多いが、二度と帰らぬ人生を思うに、社会の酷さが判る世界でも有る。花吹雪と言う言葉も有る。花浮き橋と言う言葉も有る。日本の美意識の原点でも有る。
 花は植物の性器で有ると、御婦人の前で言ってしまって、顰蹙を買った大学の教授も居ます。当たり前の事が珍奇に思える程に花は華麗で、動物の性器は卑猥でも有る。特に人の性器は特別に猥褻でも有る。誰もが裸で生まれて来て、皆似たり寄ったりで有るのに、見せる丈で犯罪行為と成って、警察に捕まり、裁判を受け、刑務所に入り、前科者と相成る。
 野菜の花の素朴さに感動をする人も多い、花屋の切花とは赴きが違う。大根や人参やキャベツも素朴な花を咲かせるので有る。馬鈴薯や茄子の花も赴きが有る。葱の葱坊主の花は不思議でも有る。花が咲く迄大事に薄皮で覆われて居るので有る。玉葱の種を取る為の背丈程に大きく成った葱坊主の林立の畑の畝には圧倒させられる物が有る。昔は菜種油を採る為に、見事な菜の花畑に成ったもので有った。亜熱帯産の里芋、泥芋と言う地方も有るが。日本では滅多に花を咲かせ無いが、猛暑の夏には間違って花を咲かせる場合も有る。春に子芋で無く親芋を植えると咲く確率も高いとか。
 道端の露草や菫の可憐さは言葉では言い尽くせ無い、田圃の肥料用に植えられた、蓮華草や和蘭蓮華の花園は特別な花の絨毯にも成り、童の格好の遊び場で有った。編んで花の冠を作った思い出の有る、女性も多い筈。雑草に近い、烏瓜の白い豪華な花に唖然とした人も居る。漬物にも成らぬ厄介な物で有るが以外な木の陰で綺麗な花を咲かせるので有る。蒲公英も西洋蒲公英が勢力を伸ばし、日本古来の蒲公英を駆逐しつつ有る。植物の進化も意外な処で進んで居るので有る。
 朝顔の種を買って来て、植木鉢に蒔いて、余りに見事な花が咲き、大事に種を採り、翌年に其の種を蒔き、花の貧弱な小ささに唖然とした人も居る。買った種は大きな花を咲かせる様に掛け合わせて有ったので有る。種無し西瓜の種が売って有るのと同様でも有る。
 花は見て居る丈で食べるものでは無いが、無花果は花を食べて居るので有る。食用の菊の花も有る。もってのほかと言う菊の花も実際に売って居たりもする。
 見事な洋蘭や清楚な和蘭、見事なアマリリスには特別の想いを抱く人も多い。子供の頃に見た花は特に見事で大きく見えた。花も様々で有る。大輪の菊も有れば、可愛い鈴蘭も有る。神経を持たぬ植物が華麗に進化を遂げる不思議が有る。虫を誘き寄せる、甘い蜜とえもいわれぬ香り、人の心を擽る綺麗な色の花びら。虫や蜂や蝶の五感も人の五感も同じな不可思議の世界。
 駅に飾られて居た欄の花が枯れ落ちる花丈赤く色付くのを見た事pが有った。蝶に信号でも送って居るので有ろうか。次の日に其の花が萎んで落ちてしまって居た。不思議な現象でも有る。竜舌蘭は一生に一度丈花を咲かせ枯れてしまう。枯れるから花を咲かせるのか、花を咲かせたから枯れるのか、不思議な話で有る。竹も花を咲かせて枯れるそうな。枯れても種は出来るから又生えて来る事には成る。植物にも死期が判って花を咲かせると思いたいもので有る。





          2007−06−25−240−02−01−OSAKA



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