神々の憂鬱

 地獄の沙汰も金次第と言う諺も有る。御金が全てでは無いが、御金さえ払えば身分に係わり無く欲しい物が買える。世界には未だに人種差別も有る、会員しか入れ無い、高級な店も有る。此の世に一つしか無い物は、競売に掛けられる場合も有るが。口の欠けた壺に驚愕の高値が付く場合も有る。骨董品の目利の珍奇な世界でも有る。素人の目は騙せても目利きの目は欺け無い。貨幣制度の恩恵を受ける人も多いが、御金が無ければ何も買え無いのが現状では有る。パンを一切れ盗んでも罪に成るので有る。高額の世界的名画を落札し、死んだら棺おけに入れて欲しいと終言ってしまい、顰蹙を買った金持ちの老人の戯言の例も有る。
 野獣が餌を奪い合って居るのは醜い争いで有り、人から見れば野蛮な愚かの象徴では有るが、奪い合いの争いに参加出来無いひ弱な野獣には餓死が待って居る。弱肉強食の世界で有る。人の社会に似た統制の取れた社会生活を営んで居る、蟻や蜂の社会は一見生命の理想の世界の様にも思えるが。汚物や塵を巣の外に捨てる役割を持った者まで居る。巣の中は常に清潔に保たれて居るが、病気や年老いて動け無く成ると悲惨でも有る。未だ死んで居ないのに生きた儘墓場に捨てられる。
 雷は鬼畜、極悪人、殺人鬼、変態変質者、人で無しの頭に落ちる訳では無い、鎮守の森の注連縄を張り小さい祠を建てて祀って居る老木の梢にも落ちる。人は役にたつ虫を益虫と称して大事にし、被害を与える虫は害虫としょうして足で踏み潰す。神々は愚かな人と同じ行為はしない。神々が人の善悪の行動を常に監視し、人を選別し天罰を降したりはし無いので有る。神々を試しては成ら無いのは世界の数多の信仰の鉄則でも有る。
 神々の天罰が降るのも怖れぬ悪行が世を憚る、鬼畜、極道、非道、人で無しの世界でも有る。恩有る母親を殺し、生首を持て巷を歩き廻る時代でも有る。天女の様な娘を何人も殺したい衝動に襲われ、後一人殺せなかった無念が死刑に成る日まで心を苛み続ける煉獄の悪夢が有る。
 ツクツクボウシが泣き出すともう秋も近い。学生は長い長い楽しい夏休みも終わり憂鬱は地獄の学校生活が始まる。試験の為の勉強に恋も夢物語でも有る。寝る間も惜しんで受験勉強に勤しむ余り、学校では受験科目以外の授業の先生の講義は子守唄の如くに熟睡して為まう生徒も居る。鼾さえ掻かねば教諭も見て見ぬふりの無視で有る。襖を全て開け放し、座敷で昼寝をして居ると猫が遣って来て前足を片方御腹に載せて、上に載りたがって催促で有る。勝手に載ると叱られるのが判って居るので有る。寝苦しい真夏の夜の蚊帳の中に迄入りたがって啼く猫も居る事からも、余程人の寝床が安心で有るので有ろう。糞暑い真夏の事で有る。蚊帳の中迄は嫌な野犬も遣って来無い事が判って居る為でも有る。寝床の中の猫をひつこく撫で続けると、大人しい猫も手に噛み付く事も有る。しかし、血が出る程に強くは咬ま無いのが不思議でも有る。加減をして居るので有ろう。座敷で新聞を大きく広げて読んで居ると猫が遣って来て背中に乗ったりする。背中に迄手が届か無いので最も安心の座布団でも有る。子供の頃、毛皮の首巻を見つけて吃驚した事が有る。毛皮と言ても死骸のイメージも有る。雪夜の晩に生身の毛皮の首巻をした経験が有る。猫が寒さに堪りかねて首の上で寝て居ったので有る。赤子の顔の上に乗り窒息させる事件まで有る。確かに顔の上に迄乗りたがるおおちゃく者の猫も実際に居た。マンション等で猫の様なペットも飼う事が許されず寂しい一人暮らしを強いられる老人も多い。釈迦の涅槃に来ずで十二支に入って居無い猫では有るが着かず離れずの関係は神々と人の関係に似て居る。猫が人に余り多くを期待して居無い事で判る。
 物事の真贋、善悪を見極める事は人の経験と知識の交錯する世界でも有る。人が人を裁く裁判は聖職で有る。裁判の評決には殊更慎重さが必要でも有る。神々の様な清い心が要求される。損得を度返しの世界でも有る。其の聖域にど素人を引き摺り出す予定が有る。裁判員制度で有る。国民の中から無作為に選ぶ制度でも有る。資格試験を制定して合格者の中から選べば良いものを。裁判官や検事や弁護士に成る為には難解な司法試験に合格し、更に研修期間も必要で有る。其の同じ裁判の場にど素人を起用しようと言うので有る。アメリカの陪審員制度の猿真似か。陪審員制度に問題が有る事は有能な弁護士を雇える金持ちの優位に裁判が進む懸念も有る。映画12人の怒れる男達の様に巧くは行か無い。戦前の徴兵制度の悪夢、憂鬱が甦る世界でも有る。当れば余程の理由が無い限り断れ無い。企業も人手の都合も付き難く迷惑な話で有る。秘密を漏らしたら今度は自分が犯罪人に成って裁かれる事に成る。多くの人は自分は当ら無いと思ってか余り反対も為無いが当るので有る。大学の法学部の卒業生や司法試験を受け乍不合格に成った人も多い筈では有るが、優先的に選ばれる訳でも無い。学士取得者に限定しても良い程の学識が必要はのが裁判で有る。当って、嫌々して居る裁判員に裁かれる容疑者も不幸で有る。憂鬱な時代が遣って来るので有る。
 日本国憲法を改悪して海外で国際貢献、人道支援と称して庶民の血税を湯水の様に使い、自衛隊の軍を勝手気儘に派兵出来る様に目論んで居る政治家も居る。海外での自衛隊の隊員の戦死者が増えれば、自衛隊の入隊希望者も激変する。当然として徴兵制度を言い出す政治家も出て来る。憂鬱な時代が又遣って来るので有る。裁判員制度は其の為の布石の一つか。
 外国へ旅行すると七つの子供も流暢に外国語を話して居る。殆んど苦労もせずに母国語を習得して居るので有るが。日本人が外国の7つの子供のレベルに外国語を習得するのは至難の業でも有る。大学を卒業しても話せる様には成って居無い人も多い。数カ国語を自由に喋る事が出来、神の域に達し得た人も居るが。英語には国際的な語学の習熟度の試験が有る。勿論其の試験を受ける様な人は語学に興味が有り、可也自信の有る人で有るが其れでも外国と比べると極端に成績が悪い。外国人が何を言って居るのか聞き取れ無いのが原因でも有る。今言った事が意味が判らなくとも復唱でければ語学の勉強も進みそうで有るが其の最初の一歩で躓いてしまって居るので有る。言葉には意味を伝える以外に感情の伝達も有る。意味の判らぬ外国語も聞いて居る喜びや悲しみ怒りの感情が伝わって来る。音声を消すと何も判ら無い。言葉の不可思議で有る。
 ピアノが弾けたらなと嘆く人も多い。ピアノ自体が大きく高価でも有る。可也裕福は家庭で無いとピアノ等買って貰え無い。月光やエリーゼの為に等の名曲を一曲丈なら長年練習を続ければ素人も弾けそうでも有るが。以前にNHKの教育番組でピアノレッスンの番組が有った。講師は世界的に有名なピアニストで有る。生徒はと言うと譜面を見なくても弾ける程の若者で有る。講師のちょっとした指導で確かに良く成るので有る。譜面通りに間違い無く弾くれば良しとする世間とは一寸違う世界でも有る。芸術の何たるかが判る世界でも有る。凡人が神々の世界に近付くのは余りにも至難の業で有る。
 事故で頭に怪我をして性格が全く変わってしまた人も居る。忘却機能が巧く働か無く成ったりもします百科事典も丸暗記出来そうでも有る。凡人が突然天才に成る不可思議で有る。しかし其れが幸せか如何かわ別問題で有る。得るものが有れば失うものも有る。天才に成っても日常生活も儘成らぬ人も居る。世に天才は奇人が多い。神々の嘆きの時で有る。
 ナスカには不可思議な巨大な地上絵が有る。飛行機等無かった昔の事、人に見せる為のもので無い事は確かな様で有る、神々に見せる為に画かれたので有ろう。誰もが気嫌う蜘蛛まで描かれて居るのを思うと生活に密着した収穫の祈りの為か。地上絵が描かれた理由の説は様々で有るが、素朴な願いが最も真実で有ろう。原始信仰では最も大事なものを生贄にする事で、願いが叶えられる信仰で有る。キリスト教の聖書の中にも最愛の息子を生贄にする話も出て来る。試合の勝者が生贄に成った理不尽も有る。負けた者等生贄にする価値も無かったので有る。死者の送る為に牛を生贄にする悪習の有る処も現代の世界にも未だに有る。牛を止め羊にしなさいと言う仏の教えも有る。身体の小さい生き物は数が多い為で有る。死人とともに生きた儘妻を葬っ印度の例も世界には有る、80日間世界一周の旅の逸話に出て来る。人を生贄にするのは余りに酷いと殉死者の変わりに土偶を葬った人の英知の恩恵も有る。
 イースター島には不思議なモアイ像が遠くの空を見上げて立って居る。神々を見上げて居るのか。起重機の無かった昔の事、如何して移動させたかが謎でも有る。世界の十不思議に選びたい不思議でも有る。立った儘歩いて移動したと言う言い伝えも有る。右左と一歩ずつ傾けて移動させたと言うので有る。神なら自ら歩くのが当然で有る。日に十歩でも千日掛ければ可也の距離を移動出来る。島人の信仰心の賜物でも有る。造りかけのモアイも有る事から、或る日突然に止めてしまった事が想像出来る。戦争か天変地異か疫病か神々の天罰か。
 エジプトのピラミッドは世界の七不思議の一つで有るが未だに良く判って居無い。昔から王の墓に成って居るが、盗掘を懼れるのなら別の処が当然でも有る。死後の世界への旅立ちの場か神々との対話の為の聖なる場所か。墓に宝物を入れ無ければ盗掘されえる事も無いが、数多の宝物を戦いで手に入れて、彼の世まで宝物を持って行きたい王の欲深さも有る。昔から遺跡の発掘と称して宝物を研究用に自国に持ち帰ってしまった考古学者も多い。墓泥棒の如くでも有る。世界の国立博物館に至宝として展示されて居る処も多い。
 昔から怪しげな祈祷師や巫女は幻覚剤を使って神々との対話を試みて来たので有る。未開地に文明が入り込むのも至難の業でも有った。其の祈祷師を教育し医師の心得を教えるのが近道で有った。未開地の子供も近代的教育を受ければ別段能力が落ちる訳では無い。生命進化の時間の物差しでは、文明の発生の1000年の差等誤差範囲の如くでも有る。アメリカの繁栄は何時までも続くとも限ら無い、栄枯盛衰は世の常で有る。日本も良く考えるべき時期でも有る。規格戦争の負け組みに成って臍を噛むんだ例も有る。 言葉には魔性も潜んで居る、神々の域に達したい作家は矢鱈難しい言葉の羅列で読者を困惑させる。白鯨の難解な言葉は定評で有る。ヘミングウェーの老人と海は優しい英語で書かれて居るが、全ての作品が同じに易しい英語で書かれて居る訳では無い。日本の三島由紀夫の小説も難解で有るが、潮騒の様に大衆向けに一ランク程度を下げた作品が民衆に受け、何度も映画化もされて居る。本来読まれたい難解な小説より、大衆に持て囃されるのは作者の本意と為る処では決して無かった筈だが。辞書を片手に難解な日本語で画き続ける不便も有るが、神の域に少しでも近付きたい人の心の想いでも有る。難しい言葉を使うと一寸賢く成った自己満足の世界でも有る。
 燕が巣立って行った、空き巣には桜貝が入って居ると思い込んで居たら、入って居る訳では無い。軒下を借りた燕の恩返しの話で有る。子供に夢を与えるのは良いが、大人に成って、ガッカリさせ失望させる結果と成る。当たり前の事を当たり前に書けば良いものを。数多有る童話、逸話、昔話の絵本の話でも有る。ピノキオの物語に差別用語が使われて居ると言って、悪書扱いしてしまう愚行も有る。不思議の国のアリスを読んで感動した王妃が貴方の作品の全部を読んで見たいわと作者に言ったら後日に難解な数式の数学の専門書が何冊も郵送されて来て唖然とさせた有名な逸話も有る。
 神々に一歩近付いた大天才は奇行も多く逸話も多い、物理学者のアインシュタインも其の一人で有る、バスのステップで同業の学者とバッタリ出会ってしまい。専門用語で大論議、運転手はバスを発車出来ず困りはて乍、結論が出る迄延々と待ち続けた例も有る。文句を言い出す乗客もい居なかったのも驚きで有る。
 数学は物理学でも無くては成らぬ必須の学問で有る。言語を越え、万人を納得させるにに充分な証明方法が構築されて居る、証明済みの事は定理として利用出来る便利さも有る。整然した理論性に神秘を感じる人も多い。神々の世界でも有る。物理学の重要な法則の多くが数式で表記されて居る、E=mc2の数 式に神の美を感じる人も多い。cは光の速度で有る。1gの質量の欠損が莫大なエネルギーを放出する事を意味する。原子爆弾の実現を示唆した数式でも有る。大宇宙の構造まで方程式で表記される。微分方程式は解くのも難解で有る。大宇宙と素粒子理論が関係有るのも不思議の世界で有る。
 人は昔から自然に驚き、感謝し、信仰の対象にして来た、太陽や月も信仰の対象で有る。巨石や古木、瀑布、鎮守の森自体が信仰の対象でも有る、神域が存在するので有る。石ころを神と崇めたりもする。
至る所に八百万の神々を信じるので有る。最近では宝籤の神様まで出現して居る。日本は不思議は国で有る。結婚式は神式で行うのに、葬式は仏式で行うのが普通で有る。異教のクリスマスを祝ったり、バレンタインデーに関心が有ったりで有る。教会の十字架に掛けられたキリストの像は余りに悲惨で有る。日本人には聖母マリアへの信仰の方が自然でも有る様にも思える。唯一絶対のアラーの神を信じる回教には偶像を持た無い、経典のコーランが神の教えでも有る。暗誦出来る程に唱えることも信仰で有る。大人への儀礼でも有る。教えの意味は難解で有る筈では有るが門前の小僧で読める子供も多い。砂漠の過酷な生活環境の為か熱心な信徒も多い。神の為にと自殺テロに走る信者迄居る。日本には地下鉄でサリンを撒いた教祖も居る。口先一つで迷える心の信者を操れ欺瞞の世界でも有る。此の世の真を見極め心眼を持つ事が重要か。名前を変え未だに信仰を広めて居る。自分のマンションに信者が巣食うて居ると知って驚愕で有る。出て行けのシュプレーコールが虚しく聞こえる。日本中の顰蹙を買った白装束隊は今は何をして居るので有ろうか。
 日頃は静かに滔滔と流れる大淀も時として様相を変える時が有る。台風等で大雨が降り続く時で有る。怒涛の如くに流れ渦の逆巻く大河の如くでも有る。対岸の堤防も見えず、堤防の上から手が届きそうな処まで増水した事も、堤防が決壊したら大阪中が水浸しに成る一大事。対岸が決壊すれば被害は半分で済むが神ののみが成せる業でも有る。河の主の大真鯉も岸に寄ってきて身を寄せ、悪童の餌食に成る始末で有った。歴史も大きな転換点を迎える時が有る。戦争に因って文化や人の心が荒む為でも有る。悪い事を悪い事と知らずに悪い事を行う愚者、悪い事を悪い事と知り乍悪事を行う悪人。悪い事を良い事と思って悪い事を行う偽善者。60年間戦争を防いだ平和憲法を改悪する目論見も有る。偽善者の戯言を批判する少数政党も有るが耳を貸す人も又少ない。
 戦争と言う合法的な殺戮を見てきた神々は何と思って居るので有ろうか。勝った方の都合で裁かれる戦争裁判の不条理、敗国の長が犬の様に処刑される悲劇。欺瞞に満ちた裁判、どの法律を持って裁いたのかが判ら無い。絶対の神の力も天罰を降す迄には至って居無い。未だに自爆テロも無く成ら無い。神々の憂鬱は癒えて居無い。
 ポルフィンとはスペイン語で終にやっとと言う言葉で有る。以前にTVEのニュースでペドロアルモドバール監督が映画賞を取った時にアナウンサーが原稿に画いて無い事をつい言ってしまった。珍奇な映画を数多造って置き乍、今迄一度も映画賞を取って居無かった為でも有る。最近は映画賞を意識してか、真面目な完成度の高い作品を手がけて居るが、以前の様な自由奔放な下品さが無く成った。芸術性は増しても魅力が薄れる世界で有る。神々の心を掴む為に庶民の楽しみが減る世界でも有る。
 人の悪口は本人の居無い処で秘かに言うものと思い込んで居た、本人は気が付か無い場合も多い。外国では神々の名を借りて、本人に聞こえる様に悪口を言ったりするらしい。マリアは結婚もして居無いのに身篭って居る等と言う。神々の悪口を言ったので個人の悪口を言った訳では無いと言うので有る。悪事に神々の名を使う罰当りな話でも有る。法律に触れねば何をしても良いと思ってしまう利己主義の世界でも有る。神々の憂鬱は未だに消え無い。 






          2007−09−18−257−03−01−OSAKA



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