白蛇伝

 今の四川省にある霊山の峨眉山(がびさん)千年ほど修行をした白蛇が人間界が恋しくなり、お供の青蛇と共にお嬢様の白素貞(白娘子)と下女の小青に変身して杭州の西湖に観光に来ました。白娘子はその風光明媚な景色と俗界の人間の暮らしに魅力を感じて山に戻る気がしなくなってしまいました。
 一行が西湖の「断橋」という橋に差し掛かったときに雨が降り出し、このとき通りかかった墓参りの帰りの許仙という薬屋の使用人が急な雨で困っている二人に自分の傘を貸して上げました。 これをきっかけに白娘子と許仙の仲は親しくなっていきます。やがて二人は結婚し、仲の良い家庭を築きます。
 やがて許仙は独立して二人で薬屋を営もうと考えるのですが、何しろ先立つものがない。それを知った下女の小青は悪徳役人の家から金を盗んできて許仙に与え、この金を元に薬屋を開業します。
 ところがこの年に疫病が発生し、人々は金山寺の法海坊主に高い金を支払って治してもらいましたが、貧しい人々はただ死ぬよりありません。みるに見かねた白娘子は薬を施してみんなの病気を治してあげます。こんなことをされては法海坊主が黙っているわけに行きません。薬屋に現れた法海坊主は許仙に「おまえは妖怪に取り付かれている。おまえの妻は妖怪なんだぞ。このままではおまえの命が危ない。」と許仙を脅かし、端午の節句の日に白娘子に雄黄酒(雄黄は砒素を含んだ鉱石でその粉末と蒲の根を酒につけたもの)を飲ませるようにいいます。
 さて、端午の節句の日が来ました。許仙は白娘子に雄黄酒を薦めますが、白娘子は身重だったために飲みたがりませんでした。それでも許仙があまりにも薦めるので「女房酔わせてどうするの?」と一口飲みました。急に気分が悪くなった白娘子は寝床に横になったのですが、寝室を覗いてみて腰を抜かさんばかりに驚きます。一匹の白い大蛇が横たわっていました。許仙はその場に卒倒して意識が戻らなくなりました。許仙の命を救うには南極仙翁の瑞草園に生えている霊芝草を飲ませるしか方法がありません。しかし、そこには鶴童と鹿童という番人がいます。白娘子は何とか霊芝草を盗み出すことには成功しましたが、脱出するときに鶴童と鹿童に発見され激しい格闘の末、霊芝草を持ち帰ります。許仙は霊芝草を飲んで一命を取り留めることができましたが法海坊主はそれではおさまりがつきません許仙を騙して連れ出し、金山寺の禅房に幽閉し出家するように薦めます。
 白娘子は小青を伴って金山寺赴き許仙を返してくれるように法海坊主に頼みますが、法海坊主は白娘子に戦いを挑みます。白娘子は水の妖怪たちを使ってお寺を水浸しにしようとしますが、水位があがるとお寺も高くなり勝負がつきません。
 ところが戦いの最中に白娘子は産気づいてしまい逃げ出します。白娘子と小青が断橋まで逃げてくると戦いのどさくさにまぎれて逃げ出した許仙がそこにいました。小青は裏切り者の許仙を切り殺そうとしますが、白娘子が中にわって入り許仙は許しを得て殺されずにすみます。許仙の姉の下に逃げ込み男の子を産みます。子供は許仕麟となづけられます ところが法海坊主はまだあきらめていません。お釈迦様の「紫火鉢」を借りてきて白娘子を霊峰塔の下に閉じ込めてしまいます。
 小青は峨眉山にもどり18年の修行を積み無敵の身となって帰ってきます。許仕麟は許仙と小青を伴い、霊峰塔に母を祭りに来ます。このとき小青は修行した霊験で霊峰塔を燃やし白娘子を救い出しようやく母子は再会を果たし共に暮らせることになります。
 アニメ映画『白蛇伝』は東映が昭和三十三年に製作、中国の四大民間説話のひとつ『白蛇伝』を題材にした、日本最初の総天然色長編漫画映画である。当時は学校の講堂等でも上映された事も有った。
 許仙は西湖の畔に住む心優しい少年。幼い頃、許仙が飼っていた可愛い小さい白蛇を、大人たちに叱られて泣く泣く野原に捨てた。十数年後の嵐の夜、白蛇が美しい少女の姿に変わった。お供の青魚の精・小青と一緒に西湖に来て、白娘が法術を使い豪華な邸宅を作り出した。成人した許仙はある朝、友だちのパンダとミミィと笛を吹いていると、その笛の音に答えるかのように胡弓のとてもいい音色が聞こえる。そこで許仙は一人のとても美しい少女・白娘を見つける。許仙は自分の目を疑い、彼女を追いかける。一方、パンダとミミィはさっきの胡弓の音色を探しに行く。そしてパンダとミミィは胡弓を見つけ、家へ持ち帰る。夜になって、許仙は今朝の美しい少女が気になっていた。笛を吹いていると、その音に答えるかのような音色が胡弓から聞こえた。その後まんじりともせず、夜を明かした許仙たちは、この不思議な胡弓の持ち主を探しに行く。そこで小青という白娘に会う。許仙は小青に胡弓を返そうとするが「これは貴方のもの」と告げられる。そこで許仙は小青に「白娘様がお待ちかねよ」といわれ、立派な邸宅に招待される。白娘というのは、昨日のあの美しい人かもしれない。許仙は誘われるがままに歩いた。すると中から現れたのは、やはりあの人。許仙はあまりの美しさに、一目で恋をした。その後二人は花畑や庭園で夢うつつなひと時を過ごし、互いに愛し合った。小青たちもなんだか嬉しくなって、パンダとミミィと共に踊りだす。そこで不思議な法術で長い龍の飾り物に乗って宝物殿内に立ち入り、そのことを知らず小青たちは二つ輝く金の星ようなの宝石を持ち帰って許仙と白娘に与える。水晶玉によって、白娘の本性を、白蛇が変身した魔性の姿と見破った法海和尚は、宝物殿を守っていた衛兵たちを差し向けて許仙と白娘の間を裂き、豪華な邸宅はたちまち廃虚と化していた。ところが許仙は宝石泥棒と間違われ投獄された。そして許仙は蘇州へ追放され強制労働に従事させられていた。そこで許仙は法海和尚と出会い、許仙は法海和尚から「白娘の正体は白蛇」だと告げられる。白娘は法海和尚との法力合戦の末に相打ちになって敗れ、白蛇の正体を現していた。許仙は白娘が忘れられず夢の中に現れた高山の塔を訪れて、白娘は最後の力で現れ出た自身の幻影を残して消えていった。白娘の幻影を追った許仙は山崖から墜落し落命した。
その後、幻影と化した白娘は広い宇宙の星に住む龍王を求めて、自分の妖精の能力と法術を捨てる代償として、許仙の命を救う唯一の願いをする。白娘の願いを聞き届けた龍王の計らいで白娘は許仙の命を救う命の花を授けられる。DVDは今でも販売されている。外国でも高く評価された。













































































            2009−08−24−432−01−01−OSAKA  



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