いろはにほへと



 警視庁捜査二課の松本刑事は「世の中はいろはかるた通りにやっているのが一番間違いはないんだ」という母ミネの影響で、いろはかるたを口ずさむのが癖だった。その彼の常識から考えて、どうもフに落ちないのは、月三分の高額配当で街の話題をさらっている投資経済会の存在だった。加入者二十万、出資金総額七十億と噂されるこの投資経済会は理事長の天野にいわせれば「単なる利殖機関でなく、日本における庶民のための唯一の投資銀行」なのだが。松本は経済会の内偵に踏みきったのだが、二年たった今日でも事件になるようなメドは全然つかめなかった。が、いつかはシッポを出す−−彼はそう信じて疑わなかった。天野が匿名組合法による投資経済会を設立したのは、西垣、黒河の協力に負うところが大きかった。松本の動きは、天野にとってやはり不気味だった。彼は政民党総務の大崎をはじめ、政界の有力者に運動資金をばらまき、投資銀行法案の立法化を急いだ。この法案が通過すれば、投資経済会は銀行と同じ扱いをうけ、出資者の権利は法律で保護されることになるのだ。だが、突如襲った株式市場の大変動は投資経済会を根底からゆさぶった。三十億に上る出血を余儀なくされた。天野にとって、松本の存在はますます厄介なものになった。渉外課長の三宅に、松本懐柔の工作を推進するよう命じた。松本の楽しみは、女将およねの許で一杯やることだった。およねがある夜彼を温泉旅館に誘った。実は三宅がたっぷり謝礼する約束で彼女に因果を含ませたのだ。が、松本は“さわらぬ神にたたりなし”と逃げ出した。天野は一時休業し、投資銀行法案の通過をまつより仕方ないと思った。がそのためには松本を抱きこんで警視庁の調べを緩和させておく必要がある。西垣が松本を自宅に招き、五百万円の金をさし出した。松本は、裏には何かあるという確信をもった。翌日、投資経済会は休業した。大崎をはじめ、政界の有力者たちも冷たくなった。松本が逮捕状をもって現われた。天野は「金で動かし得なかった人間はあなた一人だけだった」とうそぶいた。念願は果されたが、松本の心は晴れなかった。口をぬぐってすましている腐敗した政治家たちの道義的な責任が見逃されていることに対する怒りであった。

1960年製作/109分/日本



 犬も歩けば棒に当ると言う諺が有る。犬が棒みたいなしょうもない物に、怯え、唸り、牙御むき、吠え叫ぶを知ら無い人は、棒に当る事が幸運な出会いと勘違いして、誤用が罷り通ると誤用が諺に成って仕舞う。赤子は初めて見る、蛇や百足、蜂や蜘蛛に手を引っ込める。されど、ローソクの火は手で掴もうとする。火傷をして火の恐怖を学習するので有る。犬が棒を恐怖と感じるには何万年物恐怖の日々が有った事を意味する。狼は家畜化を免れたが、犬は棒で叩かれ家畜化の道を歩んだ。恐怖が遺伝子に書き込まれるのには、何万年もの恐怖が必要で有った事が判る。近代迄犬が食材として生きた儘売られて居た。日本でも火山の風化等で飢饉が続くと何故か犬や猫を見かけ無く成る。ヒトは文字に依って恐怖を子々孫々に伝えられるは、進化の飛躍でも有る。多くの生物を絶滅に追い込んだ、隕石の落下、火山の噴火、地震、津波、洪水や干ばつの恐怖は一時的な為に遺伝子に書き込まれる事が無い。何万人も焼き殺された、空襲の恐怖も、何十万人もの婦女子を含む民間人が大虐殺された原子爆弾の恐怖も一瞬の為に、遺伝子に書き込まれる事は無かった、人がも文字に恐怖をの子せるは。一つの希望えも有る。ガラパゴスのイグワナは観光客が近づいても逃げない、南海の孤島おい為に人との接触が無かった為で有る。奈良公園の雄鹿は外国人の女性がお気に入り、雌鹿と間違えて発情する。犬も飼い主を雌犬と間違えて、発情して足に盛ろうとする。
 飼い犬に手を咬まれるの諺も有る、スペインでは飼って居るカラスに眼を穿られるの諺有り、スペイン映画カラスの飼育は諺を其の儘を使って居る。日本の鵜飼の鵜匠も川鵜の目突きには注意を払う、犬は毎日餌を貰って居た老婆の手も咬む、明日から誰に餌を貰う心算なので有ろうか、自分が生んだ子犬をも噛み殺す。傷口を幾ら舐めても死んだ子犬は二度と生き返ら無い。猫は座敷に居て、ヒトと共生して居る野獣、鼠を食べるだけでは無い、蛇や烏も襲う、鶏迄襲う、猫の顔が赤い時は要注意で有る。烏は何故か幽霊の掛け軸が御気に入り、御堂の奥まで上がり込む。
 奈良の人の早起きは有名で有る。鹿が自分の家の前で死んで居たら一大事で有る。五代将軍綱吉の天下の悪法の生類憐みの令の洗脳が未だに息衝いて居る。習字の半紙を鹿に食べられ、文鎮を投げて追い払うおうとして鹿を殺して仕舞い、春日大社に因って石子詰めの刑に科せられた、三作は三日三晩泣き続けたが四日目の朝に泣き已んだ。無念に狂うた母者の怨霊に未だに怯えて居る為で有る。チベットでは近代迄鳥葬が行われて居た。
 昔の民家の厨房は土間が多かった、下駄で歩くと凸凹に何故か成って仕舞う。大きな竃が在り、藁が燃料で有った、藁を入れる藁部屋が二階に在った、其の二下位から一階の土間に飛び降りた猫が居た。姉さん被りの若奥さまは、未だ暗い内に起き出して、米を研ぎ、大釜を竃に据え、藁に火え点けてクベルと中で猫唸なり、飛び出す、若奥さまは吃驚仰天で腰抜かす。白猫も灰に塗れて灰猫に成る。初雪や猫の足跡梅の花、初雪や二の字二の字の下駄の跡。下駄を履か無い猫にとって、極寒の冬の土間は冷える。御三度で忙しく動き廻る、若奥さまの足の甲に載りたがる。



 済州島四・三事件の入りの碑が何故か大阪に在る。赤狩りに怯えた島民が多数日本に逃げて来た事を意味する。日本人がした蛮行にしたい所でゃ有るが、時代が違う、戦後の話で有る。其れほど北朝鮮の赤化工作を怖れたのに、今や文大統領は社会主義化を進め、高麗連邦の民族統一を目指して居る。徴用工訴訟の大法院の国際条約や国際協定を無視する誤審で大法院迄赤化が進んで居る事が判って仕舞った。日本は国際司法裁判所に提訴すべきで有る。日韓併合条約そのものが無効と言い出す。両国が納得して条約を締結して調印したのに、今更無効と裁判官が言い出す。国際法や国際条約や国際協定は憲法や国内法より上位の存在、両国間で話し合って訂正は出来る筈。日韓の悪化の根源に日韓併合条約が有る。併合しなければもっと朝鮮は発展して居たと言い出す。日本は全世界を嘲笑の坩堝と化す、愚行を行い、80兆円の血税を溝にすて、利他の心で奉仕をして、壱千年の恨みを買って仕舞った。今後は一切、奉仕せず、援助せず、謝罪せずで有る。反日の為に漢字を捨て去り、文化を捨て去り、翻訳語を棄て去った、日本名の木は禿山に移植すべきで有った。理論的な思考が出来ず、記憶力が劣り、学力が低下し、ハングル文字迄正確に書け無い若者が増た。図書館の蔵書の数でその国の文化が判るが、昔の本は有っても読め無い事に成って居る。漢字を廃止し無ければ旅行客も増えて居ただろうし、韓流ドラマのブームも来てただろうし、韓国語を学びたい日本人やy中国人が増えて居ただろうに、漢字を復活し無いと、中国の保護国や属国や植民地にも成れ無い。今、世界を動かすロシアと中国とアメリカの3竦みえ平和が保たれて居る。日本の存在が微妙で有る。最近漢字文化圏の躍進が際立つ、白人支配の世界に東洋の黄色い猿の黄色人種が台頭しだした、白人社会は気に入ら無い筈。米国が日米軍事同盟の不平等を言い出した。GHQが1週間でっ作った英文の草案では平等には出来ない、憲法改正を米国が催促して居るとも取れる。憲法改正の前に日本がするべき事が有る。国連憲章の敵国条項の削除で有る、敵国だったドイツやイタリはNATOに加盟したので、既に敵国は削除済み、日本は国連の分担金を巨額な拠出をし続けて来たが、この為体で有る。日本が憲法を改正し、自衛隊を国軍に格上げしたア、敵国として攻撃を受ける危惧が有る。世界は不穏で有る。中東の産油国の動乱が気に成る、ホルムズ海峡の機雷封鎖も有り得る。されど、原子力規制委員会はテロ対策施設の建造の遅れを理由に又、全原発を停める心算。菅直人氏が不法に全原発を停めたのに。法規制付きの節電や計画停電の計画をさせた悪夢が蘇る、駅の蛍光灯が間引かれ、エスカレーターが止まった。



 日本國皇帝陛下及韓國皇帝陛下ハ兩國間ノ特殊ニシテ親密ナル關係ヲ顧ヒ相互ノ幸c諦攝iシ東洋ノ平和ヲ永久ニ確保セムコトヲ欲シ此ノ目的ヲ達セムカ爲ニハ韓國ヲ日本帝國ニ倂合スルニ如カサルコトヲ確信シ茲ニ兩國間ニ倂合條約ヲ締結スルコトニ決シ之カ爲日本國皇帝陛下ハ統監子爵寺內正毅ヲ韓國皇帝陛下ハ內閣總理大臣李完用ヲ各其ノ全權委員ニ任命セリ因テ右全權委員ハ會同協議ノ上左ノゥ條ヲ協定セリ

第一條

韓國皇帝陛下ハ韓國全部ニ關スル一切ノ統治權ヲ完全且永久ニ日本國皇帝陛下ニ讓與ス

第二條

日本國皇帝陛下ハ前條ニ揭ケタル讓與ヲ受諾シ且全然韓國ヲ日本帝國ニ倂合スルコトヲ承諾ス

第三條

日本國皇帝陛下ハ韓國皇帝陛下、太皇帝陛下、皇太子殿下竝其ノ后妃及後裔ヲシテ各其ノ地位ニ應シ相當ナル尊稱、威嚴及名譽ヲ享有セシメ且之ヲ保持スルニ十分ナル歲費ヲ供給スヘキコトヲ約ス

第四條

日本國皇帝陛下ハ前條以外ノ韓國皇族及其ノ後裔ニ對シ各相當ノ名譽及待遇ヲ享有セシメ且之ヲ維持スルニ必要ナル資金ヲ供與スルコトヲ約ス

第五條

日本國皇帝陛下ハ勳功アル韓人ニシテ特ニ表彰ヲ爲スヲ適當ナリト認メタル者ニ對シ榮爵ヲ授ケ且恩金ヲ與フヘシ

第六條

日本國政府ハ前記倂合ノ結果トシテ全然韓國ノ施政ヲ擔任シ同地ニ施行スル法規ヲ遵守スル韓人ノ身體及財產ニ對シ十分ナル保護ヲ與ヘ且其ノwノ攝iヲ圖ルヘシ

第七條

日本國政府ハ誠意忠實ニ新制度ヲ尊重スル韓人ニシテ相當ノ資格アル者ヲ事情ノ許ス限リ韓國ニ於ケル帝國官吏ニ登用スヘシ

第八條

本條約ハ日本國皇帝陛下及韓國皇帝陛下ノ裁可ヲ經タルモノニシテ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

右證據トシテ兩全權委員ハ本條約ニ記名調印スルモノナリ

明治四十三年八月二十二日