蛸 の 足

 以前にマル優制度を廃止する理由について、今は預金の利子が無いに等しいので、高齢者の預金の利子に掛かる税金を免除するマル優制度を無くしても誰も困らないであろう、と言った大臣が居ます。無いに等しい高齢者の預金の利子からも税金を取る事自体が間違っているのに。此の様な事からも高齢者を見捨てた今の政治が見えてきます。
 真面目にコツコツと長年預金する事で、定年後の優雅な生活を夢見ていた高齢者も多かったと思いますが、期待が外れるとは此の事です。預金の金利は未だに上がる気配すら無い。若しも預金の金利がかってのままであれば、金融機関が預金者に支払わなければならなかった利子の総額は莫大な物であった筈、其の分のお金は一体何処へ言ってしまったんでしょうか。誰かが得をしている筈なのに。金融機関は金融庁にたたかれっぱなしで、統合により生き延びようとしています。おかげで店舗数は確実に減ってしまい、窓口での待ち時間が増えています。金融機関に行く為にバス代を使っていたら何の為に預金していたのか分かりません。更に、郵政の民営化で郵便局の数も減るのも目に見えています。そのうち消費税率も又、引き上げられるかもしれません。高齢者や子供からも取る消費税は間違いですのに。テレビ討論会等で野党の中には、鋭く政策を批判する人も居ますが。与党の政治家は歯に衣着せぬ発言とは言いがたく、奇麗事のたてまえ丈を話しています。結局最後に馬鹿を見るのは高齢者です。戦後の混乱期からの、何も無かった時代から、現代の日本の発展を支えてきた高齢者を見捨てる風潮は他にも有ります。テレビで若者が高齢者を馬鹿にした様な発言をしても、窘める人が一人も居ません。その若者は自分だけは歳を取らないとでも思っているんでしょうか。自社においても、三十五年の永年勤続表彰が無く成った事でも其れが読み取れます。しかし、不運は其れだけでは無いのです、夫が定年を向かえたのを期に、熟年離婚を考える夫婦も居ます。しかし、現実は余りに厳しく。定職が無いとなかなか住居が見つからず。住所が定まらなければ、職探しなど覚束ない。高齢者にとっての人生は余りに厳しく、預金が尽きるのが先か、命が尽きるのが先か迫られています。もっと高齢者に思いやりの有る、政策が望まれます。
                  猫 の 泪

 花が奇麗に咲いている理由を子供に聞かれて、人の目を楽しませ、心を和ませる為と答えてしまう人もいます。其れが真実なら、人の居ない砂漠に生えている竜舌蘭は何十年に一度の花を咲かせる必要等無いのである。真実を知っていても人は咄嗟には、余り真実を語りません、政治家も同じです。
 柘榴の実は特に印象が良くありません。物騒な手榴弾のイメージが有り、又、実が割れて中の赤い粒々が見えることから、印象が甚だ良く有りません。柘榴は自ら実を割って中の赤い粒々の実を小鳥に食べやすい様にしてるのです。子孫繁栄の思いが有るのです。
動物等からは何も学ぶべき事等無いと思って居る人も居ますが。身近な家畜からも学ぶべき事も多い。今でこそ牛や馬は滅多に見かけませんが、良く働いていたのである。昔は牛に田を耕していたのでした。良く働く牛なのに、一端耕し終わった田を、もう一度念を入れて耕そうとすると、どないしばいても言う事を聞きません。何かを教えています。
 数有る家畜の中でも、猫ほど不可解な存在は有りません。鼠を取る事以外何も要求されていません、座敷の上を泥足で歩く事の許された唯一の家畜は神に近い存在です。苛めたら祟るとまで言われています。しかしながら、餌を余りやると鼠を取ら無く成るので、たまにしか与えません、おかげで猫は人に飼われて居るとは思っていません。座敷の隅に鼠の頭と尻尾が残っているのを見て驚愕した人も多いと思います、まるで野生そのものです内部に野生を秘めながらも、人の膝の上で寝たりもするので有る。この強かな生き物の生きざまには学ぶべき事も多い。其の強かな猫も時に泪を流す事が有るので有る。女性にとってお産は危険と苦痛の伴う大仕事ですが、動物に取って本来素晴らしい事で有り、幸せな事なので有る。猫も嬉泣きをします。猫の不可解な行動は他にも有ります。動物は我が子を人に触らせるのを極端に嫌うはずなのに、我が子が歩けるように成ると、人の前に咥えてきて、お披露目をするので有る。母猫の子に対する思いは特に強く、餌をやると子が食べ終わってからでないと母猫は食べません。猫の子を他所の家にあげる場合には、充分に納得させてから家から連れ出しましょう。そうしないと何処へ行ったのか悲しそうに探し廻りますよ。動物にも喜びも悲しみも有る事が学べます。

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