完璧の罠

 完璧とは傷の無い玉、完全無欠の事で有る、完全な壁の事では無い。毎日同じ仕事を繰り返して居ると自分の仕事は完璧なものと思い込んでしまい思わぬ失敗も。一寸の確認で未然に防げる失敗も思い込みが先に立って見逃しも有る、人は間違いを犯す者で有る。新しい仕事に就いた時は心を張り詰めて居るが慣れて来ると気が緩むのか電車の運転手が停まる駅を通り過ぎてしまったり、バスの運転手が路線を間違えたりで有る。マンネリに成ら無い様に適当にローテーションを組んで変わて居る職場も有る。
 人は毎日の家事においても色々と失敗も、毎日の御飯を焦がしたり、水加減を間違えたで有る。お湯を沸かして居て忘れてしまう人も居るのか、沸騰すると笛の鳴る薬缶も有る。歳と共に自分自身も信じられ無く成り、家を出る場合には何度もガスの元栓や、窓の閉め、電気のスイッチの切り、水道の漏れ、等々心配が絶え無い。何度も確認する羽目に成る。
 指示呼称も間違い防止の一つの方法で有る。電車の運転手の大声は有名で有る。一生懸命で有るが煩いと思う乗客も居るが。命令を受けた場合は復唱し間違いが無い事を必ず確認しましょう。思い込みが一人歩きを始める場合も有る。
 間違いが起きた場合は直ぐに報告しましょう、後で報告しようと思って居る内に、報告が遅れてしまう場合も有る。後の責任問題で、報告を直ぐにしたのとしないのでは大きな違いでも有る。報告する事で責任が軽く成る場合も有る。
 人の記憶は完璧では有りません。日記を毎日付けて居る人が如何に少ないかが判ります。学生なら兎も角、毎日々同じ様な仕事をして居る忙しい現代人には無理な面も有る。人生の節目の記録は残して置くべきなのに、其すらしない人も居る、暢気でも有る。人生の達人は初任給は幾等で有ったか。何年に配転を受けたか、何時昇格したか、何処へ出張したか等、几帳面に記録を残して居る人も居るが無頓着な人も多い。命に関わる大事の人間ドックの過去の記録も無頓着な人も多い。先祖の大事な命日の過去帳の管理もお寺さん任せの人も多い。親戚の冠婚葬祭の記録も重要で有る筈なのに、頭の中丈の記録丈に頼って居る人も多い。記憶は良い加減なとこも有る。思い込みも有る、都合の良い事だけ覚えて居るので有る。
 IDやパスワードは暗証すべきもので書き留めるものでは無いが、数が増えると覚えきれ無い、結局帳面に控えたり、同じ番号にしてしまったりで有る。泥棒の思う壺でも有る。暗証番号等は本来妻にも教えるべきものでは無いが、其を守って居る人も又少無い。
 人は仕事に慣れると作業手順書に従わず、自分の記憶が作業手順書に成ってしまう。作業手順に従わずバケツでウラン溶液を処理してしまい、臨海事故を引き起こした、人類史上に名を残す不祥事が発生してしまった。大変な被害が出た。事故を起こした本人は何が起こったか判らない内に被爆してしまい。駆けつけた消防の救急隊員も二次被爆をしてしまった。溶液が青白く光ったと言うので有る。核反応が起こり臨界に達したので有る。偶には初心に帰り、手順書を読み返す事が慣用か。
 人は仕事に慣れて来ると使用して居る機械の取扱説明書等滅多に読ま無いが、偶には機械の習熟の為にも読み返しましょう。家電製品に至っては何処に取説を直したかの管理も出来て居無い場合も多い、結局多機能な高価な製品も一部の機能しか使え無い結果に成る。宝の持ち腐れでも有る。
 オペレーティングシステム(OS)の取扱説明書は薄っぺらな冊子丈で有る。電子媒体での提供と成って居る。調子の良い場合はヘルプでマニュアルを検索して読めるが、不具合が発生して読みたい時には読め無いので有る。調子の良い時は読む人も少無い筈、何やら可笑しな世界でも有る。強制的に再起動が掛かる場合も有る。突然に電源が落ちる場合も有る。画面がフリーズする場合は良く有るが、中には電源すら入ら無い絶望的な不具合も有れば、起動画面でブルーの英文の悪夢の異常表示画面に成る場合も有る。取扱説明書をジックリトと読むのも楽しみの一つで有ろうに。専門家向けには電話帳の様な分厚いリソースキットは発売されて居る、日本語に翻訳されて居ても素人には理解し難い。
 日本人は完璧を求める気質が有る。オリンピックで金メダルが取れず銀メダルで無念に思う人も居る、銅メダルでも喜びの笑みを浮かべる外国人とは対象的は場合が有る。銀メダルが取れた丈でも凄い事の筈なのに、予選落ちの人も多いのにで有る。オリンピックに出れ無い人も多いのにで有る。
 日本では学閥が存在する。有名大学を卒業しないと会社では認められ無い、管理職にも成れ無い。其を知ってか学生の期末試験の成績におのずと関心が集まる、上位50番を廊下に張り出したりもする学校も有った。百点満点等は滅多に取れ無いが、一度取ると次も百点満点しか無い、地獄の始まりでも有る。不可能では無い。好きな学科に集中して勉強すれば百点満点も夢では無い、しかし、大学入試は好きな学科丈では無い。人生は余りにも過酷なので有る。光陰矢の如し、学成り難しで有る。
 日本には完璧な物には魔が差すと完璧を嫌う風潮も有る。東照宮の竜の見事な四本の彫刻の柱の一本を業と逆に取り付けたして在る。
 完璧は男を求める余り、婚期を逃すしてしまう女性も多い。自分は童貞でも無いのに嫁御は処女で有る事を求める身勝手な男も多い。男の好きな女とは必ずしも完璧な女で無く。襁褓を変えて貰っていた頃の若き母の顔の記憶が作用して居るので有ろう。夫婦の写真を見て居ると似た顔の男女が多い。母の血を引く自分自身に似た女に憧れるので有る。不思議な世界でも有る。
 人は十円銅貨のデザインで有名な平等院の鳳凰堂の左右対象なシンメトリーな建物に完璧性を感じるが左右対称は生物特有で有る。右の手袋を引っ繰り返すと左の手に填める事が出来る。半分の生命の設計図で有る遺伝子のDNAで巧く代用して居るので有る。生命進化の合理的必然で有ったので有ろう。
 人は有名人に成ってしまうと自分の芸の完璧さに天狗に成ってしまいます。天王に成った気分にも成ります。そんな天王が世間には四人も居るので有る。四天王で有る。東西南北に居るので有る。更に其の頂点に立つには至難の業では無い。其の頂点に立ち、大賞を貰うて置き乍、老醜を晒し、若い娘に現を吐かすと妻に寝首を掻かれ兼ねない。
 西洋の古代遺跡からは巨大な石の玉がで有る場合も有る。古代の技術では不可能に近い完璧は真球で有る。完全な物には神が宿るとでも思ったので有ろう。現代の技術を持ってしても完璧は玉を作るのは至難の業で有る。新聞の広告に水晶玉が売られて居ます。縁起物でも有る、水晶は加工しにくく玉に研磨するのも大変である、大玉は高価でも有る。怪しげな呪文を唱えると人の運命が映し出されるとでも言うので有ろうか。ベアリングの玉は完璧は真球で有る事が要求されます。重い車両が軽く動くのもベアリングの御蔭でも有る。真球で無いと振動したり、発熱したりで玉の破損に通じる、パチンコの玉は真球でわありません訳が有るので有る。完璧過ぎると面白みも無く成るので有る。
 レオナルド・ダビンチの絵画は完璧を追及した余り、余りに作品数が少ない、しかし全てが人類の至宝でも有る。スペインの美術館で不思議な肖像画に出会った事が有る、絵の具で描かれて居るのに輝いて見えたので有る。精緻な描写と色彩の魔術でそお見えるので有ろう。最近は写真の発達で細密描写をする画家も少なく成った。見える通りに描くのは芸術では無いと思う人も多いのか、人はやがて年老いて死ぬるが、美術館の絵画が百年間は輝き続ける事で有ろう。美の基準に黄金分割が有る、多くの書籍の横と縦の比が理論的に美しいく感じるとされて居る比に成って居る。芸術家も採用して美の完璧さを求めて来た
 最近のテレビドラマも完璧な作品も少なく成った、俳優が台詞を間違えなければ好しとするのか、何度も撮り直し居ては御金も掛かるし、時間も掛かる為か、妥協が支配するのか。可笑しなアクセントの方言も有る。土地の人が聞いたら珍奇にも聞こえる。手間の掛かる、レールを組んで滑る様にカメラを移動させる撮影も少なく成った。幼児番組は其の国の未来を映す鏡でも有る。恋愛を取り上げたり、本物の華篭を幾つの使ったり、本物の象をスタジオに登場させたい、当世の有名人を出演させてりは異国の番組、ヨーロッパのセサミストリートの話なので有ろうか。
 大相撲の千秋楽で横綱が人気力士に勝って、土俵上に座布団が飛ぶ舞った事が有ります。横綱だ完璧な横綱相撲で勝って当たり前の事、座布団等飛ぶ筈も無いのにで有る、余りに強過ぎる為に面白く無いと思う人が居るとでも言うので有ろうか。横綱朝青龍の最強時の逸話で有る。
 自分の政策は完璧だと自負し、少数野党の意見等聞く耳を持た無かった、首相が退陣したら。政治評論家もあれ程文句百垂れ言って居ったが急に何も言わ無く成った。首相の権限はかくも重いのか。一国会議員に成り下がっては文句を言う価値も無いのか。首相が変わっても日本の政策に変化が見られ無い、首相を影で操る実力者が居るのか、首相も傀儡に過ぎ無いので有ろうか。傀儡師も年老いては判断が曇りがちでも有る。古い法律は改定の必要が有ると多くの人は思うが、改定の美名の影で改悪が平然と行われる、一般の人は法律の変更部分の詳細を知ろうともしない。日本国憲法は戦後アメリカに押し付けられた物で日本人独自の憲法が必要だと言い出し改悪の目論見も有ります。学生の可笑しな重犯罪の多発を受けて、教育基本法の改定を言い出す政治家も居る。戦前の愛国心教育の復活で有る。何やら戦争への足音が聞こえて来そうでも有る。戦争こそが完璧な破壊と殺戮の世界で有る。
 学生の頃、母が生きた儘の鶏を買って来た。食べる為には殺さなければ成らなかったので有る。惨い話で有った。さすがに殺すのは悲惨なので、母は養鶏をして居る人に処理と血抜き羽毟りを頼んだが、私が料理をする羽目に。私は頭の無い丸ごとの俎板の上の丸裸の鶏の首から未だ鮮血が出て居るのを見た唖然としてしまった。血抜きをして有っても血が残って居たので有る。生きた鯉の頭を落とす時も血が出るので有る。君子厨房に入らずの忠告が判ります。鶏の内臓を見て、生命こそが完璧な世界で有ると思った、人が進化で無く神が創った物と思ってしまうのも無理が有りません。人の英知も及ばぬ世界で有る、寸部の隙間も無く、一部の無駄な物が何も無い。しかし、強い者が弱い者を殺して食べる、弱肉強食の世界でも有る。過酷な現実が其処には存在する。
 生命の進化は地質学的な気の遠く成る様な時間の賜物でも有るが、退化は急激に始まる、鳥も飛ぶ努力をしなければ急激に羽の退化が始まり最早飛べなく成った、ガラパゴスの海烏の例も有る。人も考えることを止めてしまうと急激に退化が始まるかも知れ無い。物事を深く考える習慣を着けましょう。最近は狂う筈の無い本能まで狂い出して居る。死に急ぐ年少者の自殺。自分を産んで呉れた母を殺す少年、憎っくき学校で無く我が家に放火し兄弟を焼き殺す少年。完璧成る生命システムが作動し無く成ったので有る。夜更かしで昼と夜が逆転し、家に引き篭もり、虚構の世界に現を吐かす青年。女を恋焦れ乍一生結婚出来無い男。我が息子の介護を受け乍他人の様に手を合わせ礼を言う母親。悲しい世界でも有る。
 自分では完璧がと思って居た日本語も最近怪しく成って来た、新聞を読んで居ると読め無い漢字に出会う場合も有る。以前は難しい漢字にはルビが打って有った筈なのに。ワープロで進歩で漢字変換が容易に成った為か。辞書の引く回数も増えた。完璧の信頼が崩れかけて来た。矢鱈多かった外来語の横文字のカタカナも日本語に切り替える努力も進んで居る。ワープロでは正しく表示してもブラウザーで正しく表示しない難しい漢字も有る。ホームページやブログでの難しい漢字の使用には注意が必要か。・で表示されてしまう場合も有る、漢字の全てが表示出切る訳では無い、未だ完璧では無い。
 万人にやがては訪れるで有ろう死ぬる時に、自分の人生は完璧で有ったと自慢できる人も少ない。映画の様な素敵は恋等何人の人がしたので有ろうか、失敗と、後悔の連続で有ろう。現世の栄光を其の儘持って行ける彼の世など最初から無いので有る。日々の努力と精進、勤勉が人の世の唯一の救いでも有る。怠惰な浪費生活には未来は無い。自分の死ぬる時は楽しい思い出丈が走馬灯の様に頭の中に蘇って欲しいもので有る。処刑体験をしたドストエフスキーの如くに。
 日本には画竜点睛と言う言葉が有る。竜を描き最後に睛を入れる事で有る。睛を入れられて初めて竜は完璧な者と成り魂を入れられ。恰も絵から抜け出し天空を舞うが如くで有る。最後に加える大切な仕上げの事で有る。其の一筆が無いと画竜点睛に欠く事と成る。蛇足と言う言葉も有る。完璧さを求めて手を加え過ぎて、価値を失う場合も有る。骨董品を磨き過ぎて価値を失った人も居る。何事も程々が肝要か。






          2006−11−25−185−02−01−OSAKA



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