石畳

 日本は雨の多い国で有る。アスファルトの舗装が普及為る迄はぬかるんで通行人は難儀をして居た。大きな神社や仏閣の参道は御金を掛けて石畳が敷かれて居た。道には砂利が敷かれた事も有る。チャートのバラスが敷かれた事も、白い石英分の多い処には黄銅鉱が有ったりで有る。金と間違えて探し廻ったりで有る。古代ローマ時代には国家の威信を掛けて街道の整備を行った。当時に敷かれた石畳が現代迄残って居る処も有る。大阪の市内に市電が走って居た頃は線路の部分丈石畳で有ったのを憶えて居る。今は路面の石畳を見る事は無い。其の石が売りに出された事も有った。
 神社や仏閣が山の上に何を思っては山の上に建立される場合も有る。少しでも神仏に近付きたい為か。重機の無かった昔の建築の苦労が偲ばれる。気の遠く成る様な階段が続く、参拝出来る人は健康人ばかりで有る。身体の弱い人を救済するので有れば低い所にすべきで有るのにで有る。石畳や階段の石も長年で磨滅もする、山門の敷居の磨滅が目立つ跨が無いで載り越える人も多い為でも有る。
 最近の工場の床はPタイルや塗装が主流で有る。エレベータの有る玄関のロビー丈石畳の所も有った。何十年経って居てもPタイルや塗装の床とは比べ物に成ら無い価値が有る。昔、地下鉄の壁石に化石が見付かって話題に成った事も有る。
 豪華なシャンゼリゼの有るホテルのロビーの大理石の床は溜息ものでも有る。西洋が石の文化でも有る事が分かる。スペインのプラド美術館に変わった石の机が置かれて居る。荷物を置く台かと思って居たら其の机自体が展示品で有る。触ると注意されるので気を付けましょう。日本では貝殻の象眼細工は良く目にする、正倉院の宝物にも何点か見掛けるが。買いたく成る程に綺麗でも有るが可也高価で庶民には手が出無い、宝物の類でも有る。其の机は貝では無く、色の違う石や宝石をはめ込んで行く象嵌で有る。最後に磨き掛ければ一段と映える。曲線の魔術師のアルフォンス・ミュシャの装飾風の美人画の作風を何故か連想させる。
 子供の頃、鉱石の標本を貰って感動を憶えた事が有る。色んな色の石が有るので有る。最近は墓石迄外国産も有る。石は重い為め運賃が問題に成る。石畳の石なら出来る丈近くの産地の安い石が必要に成る。 人生は石畳の敷かれた平坦な道とは限ら無い、棘の道も有る。一時の欲情と死刑が執行される日迄の地獄の長い日々が天秤に掛かる筈も無いのにで有る。逮捕されて事情聴取を受ける迄に考える時間は充分に有っただろうに「誰でも良かった。人を殺したかった」と放言為て仕舞う軽薄も有る。其の放言を其の儘報道為て仕舞うマスコミの愚かも有る。人心を恐怖に落とし入れるのが犯人(現行犯でも容疑者)の狙いでも有るのにで有る。もう一人殺せ無かった無念さが死刑が執行される日迄犯人の心を苛み続けると為たら余りに悲惨でも有る。刑務所では労働が科せられる場合も有る。給料は唖然と為る程安い、給料が安い事が罰に成って居る。受刑者の作った家具等が一般に販売される時も有る。時間が充分に有る為か丁寧な仕上がりで人件費が安い為か相対に割安でも有る。
 最近石の替わりに雨水の通るレンガ状のブロックで歩道を舗装する所が増えた。雨水が大地に浸透し地下水の減少に因る地盤沈下が防げる。隙間に苔や草が生える場合も有る。煉瓦状のタイルの舗装も有る煉瓦と勘違い為て平気でオートバイで乗り上げたりで有る。
 御城の石垣は崩れそうで中々崩れ無い、大きな地震は何度か有ったが今だ健在で有る。石が細長く奥に深い為でも有る。隙間からの排水も良い。石垣には上の石を少し張り出す組み方も有る。敵や賊が登れ無い特殊な組み方でも有る。手足の指が隙間に入ら無い。ペルーの遺跡の城壁の石組みは寸鉄の刃も隙間に入ら無い組み方で有る。其の上に征服者のスペインが組んだ石垣丈が地震で崩れたりで有る。古代の技術が勝って居たので有った。しかし、雨の多い日本では隙間の多い日本式の石組みが最適では有るが。石垣の種類も色々で有る。巨石を隙間無く加工して積んで行くには人も時間も御金も掛かるので余り見掛け無いが大阪城には巨石が残って居る。焼け焦げた後が今だ消えずで有る。
 明治時代の煉瓦造りの洋館はめっきり少なく成った。コンクリートが普及して煉瓦作りは余り造られなく成った。震災で多くが倒壊した。最近はコンクリートのブロックの手軽さで多用されて居るが、壁にブロックが利用された為に耐震規格に問題が発生して居る。地震でブロック塀が倒れて怪我する人も多い。石垣用のブロックも有る。
 個人の屋敷に門から母屋まで石畳が続く豪邸も在った。庄屋等の豪農と小作人との貧富の差が昔は厳然と在った。門前の石畳で子供の頃夏休みの朝にラジオ体操をした事が在る。出欠表に判を押して貰う必要が有ったので有る。村の学童が集うって体操が出来る程に広かったので有る。昔の豪農の栄華が偲ばれる更に上には豪商が社会を支配して居たので有る。守口の佐太天満宮の傍に佐太陣屋跡が有る。石垣が一部残って居るのみでは有るが。大坂と京の両方に物資を供給出来る要地で蔵屋敷と為ても利用された。大坂へは船輸送が便利でも有った。下田(水田専用の田圃)や蓮田の田舎に近代に国道1号線が敷かれた。当時はコンクリートで有る、鉄筋入りで可也の厚みが有った10程に割れ無い様にゴムの緩衝材が必要で有った。大型トラックが昼夜走っても皹一つ行か無かったもので有る。現在は其の上をアスファルトで舗装されて当時の面影は無い。其のコンクリートの国道を戦車が列を成して疾走した事が有った。重い戦車でも可也のスピードが出るので有る。有事なら当然赤信号も無視で有る。路面がカタピラで傷付いても御構い無しで有った。
 石畳には悲しい物語が有る。影法師丈が石に焼き付か無かったので有る。本人は高熱で蒸発して仕舞った。日光写真の原理で有る。広島に投下されて原子爆弾の凄惨な歴史記録でも有る。
 西洋はローマ時代から街道の石畳は整備去れて着た。馬車の時代では道がぬかるんでは走れ無い為でも有る。街道を石で敷き詰めるには可也の石も必要で有る。人夫も要るし、御金も掛かる。何時の世も支配者は兵を進める為に街道の整備を最優先に当地に押し付けて居たので有る。税金を払えぬ貧乏人は人夫に出たり石を供出したりで有る。貧乏人からも搾れる丈搾り取ったので有る。日本でも子供や老人からも税を平気で取り立てて居る悪法が有る、消費税で有る。反対するは非国民か、反対する人も今や居無い、数字を替える丈で簡単に法律が改悪出来る。其の内に消費税率が10%に成る事は預言者で無くとも予言出来る。
 駅のホームには黄色い色の目の不自由な人の為の誘導タイルが張られて居る。其の上を辿って行けが安全に列車に乗り降り出来る。街中で見掛ける事は少ないが無い事も無い。しかし、未だかって利用者を見た事が無い。可也の御金が掛かって居る筈では有る。御金の効率は別なのか政の難しさが有る。
 立派な石畳を踏んで神社仏閣に詣でても想いが叶う事は少ない。人生の厳しさが厳然として存在為る。日本では初詣に多くの人が参拝為るので広い立派な石畳の参道は必須でも有る。玉砂利の処も在る。仏閣には龍安寺の庭の様に石と砂丈の枯山水の庭も在る。山水を連想させる石組みでも有る。川を渡る布石も有る。大きな石を川に並べると川を堰き止める事無しに渡れる。最初に重い石を置く人は大変で有るが後に続く人は楽に川を渡れる。社会に布石を敷く人も又大変で有る。人より一歩先を歩みたい人は損をする事も多い。普及し出すと物の値段も安く成る。機器も進化する。OSもバグが取り除かれる。狭き門より入れと言う西洋の諺も有る。登竜門と言う言葉も有る。若者は採算に合わ無い苦労も為るべきで有る。



          2008−09−16−363−01−01ーOSAKA



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