汗と泪

 誰しも額に汗為る事無く収入を得たいもので有る。最近は機械化も進み額に汗為る重労働も少なく成った。しかし、労働は辛く過酷で有る事には変わりは無い。人の汗腺は他の獣に比べ特別に発達して居る。掌の発汗は木登りに最適で有る。危険が迫った時に手に汗を搔くのは道理でも有る。猫は南国生まれで夏には強く滅多に汗は搔か無いが、犬は大変で有る。舌を出して息で唾液の気化熱での排熱で有る。甚だ煩い。汗は本来は無臭で有るが、皮膚の細菌で匂う場合も有る。不潔な環境では悪臭を放つ場合も有る。入浴為ると又汗を搔く事には成るが。汗の成分で衣服が変色為る場合も有る。
 年老居ると腎臓の排泄機能が低下する為か、少しの労働でも汗を搔く人が居る。寒いのに汗を搔いたりで有る。季節の変わり目には注意が必要な時期でも有る。夏に冷房に頼り過ぎると体調も崩れるので注意が必要。夏に大いに汗を搔いて置く必要も有るので有る。人は他の獣より大量に汗を搔く為に塩分の補給が大事でも有る。製鉄所等の高熱の労働環境では特に大事で有る。現代では塩はスーパーやコンビニでも簡単に手に入るので其の大事さは体感する事も無いが。不足すると命にも係わって来るし、元気も無く成る。昔、海を持たぬ国では塩を得るのも大変で有った。戦最中に上杉謙信が武田信玄が敵に塩を贈った美談まで有る。塩の付く地名も多い。昔は煙草屋で塩も販売されて居た。大事の為に専売公社が販売統制をして居たので有る。勝手には製造販売が出来無かったので有る。徒の塩がで有る。
 論言汗の如しと言う諺が有る。皇帝が一旦発した言葉は取り消したり訂正が出来無いと言う中国の格言で有る。人の上に立つ人の言動の戒めでも有る。失言で大臣の職を辞為た人も多い。さぞかし冷や汗を搔いた事で有ろう。弁明を為れば為る程にマスコミも大騒ぎに成る。鬼の首を捕った気に成る人も多い。
 額に汗する労働は身体に一番で有る。太陽の下での野良仕事に憬れる人も多いが、趣味で行う程度では採算が取れ無い場合も多い。政府の言う定年延長は聞こえが良いが現実は嘱託と為ての再雇用で有る。給料は大幅に低く成る。仕事量は以前の儘で有る。楽な仕事に回される訳では無い。定年真近に成っての配転や出向等も有る。若い大卒の課長の下で慣れ無い仕事を為て冷や汗を搔く人も多い。
 河馬は血の汗を流すと思って居る人も居る。皮膚を蒸発から守る為に分泌物質を含んだ汗を搔き、其の汗が空気に触れて化学反応を起こし赤色に変色する。馬車馬は良く汗を搔く、熱帯の密林にはナマケモノと言う変わった獣が生息して居る。無駄な事は何も為無いので怠け者の様にも見えるが、結構長生きで有る。馬車馬並みに扱き使われる日雇い労働者も居る。明日は疲れて寝込んでも代わりは居て居るので有る、今日丈持てば良いので有る。派遣労働者に迄安全教育が行き届いて居無い現実も有る。出向社員は特別な存在でも有る。給料は換わら無いが労働条件は大きく変わる。
 労働歌は不思議な存在で有る。額に汗為る労働自体が過酷で辛いし疲弊するのに、更に歌を歌うかで有る。余りの辛さに気が狂うのを防止しる効果は有りそうで有るが。疲労で死に至るのは信じ難いが実際に有り得る。過労死の認定は難しい。持病を持って居る人が多い為でも有る。三日三晩働き続けては健康な人でも命の保証は無い場合も有る。
 額に汗の労働場面は映画やドラマでは余り登場為無い、労働中の会話が難しい為でも有る。昔の機械を集めるのも大変で有る。騒音も出る、当然何して居るか判り辛いオフィスが中心に成る。外国のドラマでは労働者と管理職の差が目立つ。管理職のオフィスの私物化も目立つし、労働者の職種間ンの連携の無さも目立つ。主演俳優の背後でモクモクと働く労働者の演技に気を使う監督も少ない。昔は巷での物売りも多かった。
 泪は大事な目を守る為に少しづつ出て居るが、喜びや悲しみの余り目から流れる程に出る場合も有る。喜びや悲しみの程度の大きさで流れる泪の量に違いが出る。泪はどの位出るのか興味の涌く部分でも有る試合に負けた位でも無念の泪を流す選手も居る。有る程度出ると涸れて仕舞うのか。泪の量は測れても悲しみの深さを測る事は出来無い。日本男子は人前では泣かぬのが嗜みと思う人も多く、ドラマ等でも余り見無いが、テレノベラでは良く見かける御国柄も有る。泪を流して仕舞えば悲しみが和らぐ事は生理学の通説にも成って居る。無理に我慢するは精神衛生上は良く無い。
 喜びや悲しみは人丈で獣は持って居無いと思って居る人も多いが、猫は産んだ自分の子猫が一匹でも居無く成ると悲しそうに啼居て探し廻ったり為る。御産の時も咽喉をゴロゴロ鳴らし泪を流したりする。猫が嬉泪を流すのも意外では有るが流すので有る。他家に子猫を遣る時は母猫に充分に納得させて巣から連れ出しましょう、納得すると探し廻ったり為無い。
 悲しみは愛の深さの反動でも有る。愛の無いところには悲しみも又少ない。天女の様な心の処女を誘拐し監禁し辱めと殺して仕舞う、鬼畜の様な犯罪も多い。弁護士団が記者会見を態々開いて、精神鑑定を言い出したり、遺族の悲しみを逆撫で為る報道も目立つ。死刑を臨む犯人(現行犯で容疑者)をで有る。殺された娘の父親が犯人が刑の軽減を求める発言をした事が有る。日本人の好きな忠臣蔵の世界でも有る。復讐劇、私刑の世界で有る。悲しみの余り泪が涸れて眠れぬ夜が何日も続く時は額に汗する程の肉体労働を為ると眠れる場合も有る。肉体の疲労が皮肉にも悲しみを和らげるので有る。
 人生は余りに苛酷で有る。誰しも何時か二度と明けぬ闇夜が訪れる。汗と泪の結晶の此の世の富や名声を持て行ける彼の世等無い。嘘の方便も他人の葬式の慰めに過ぎない。
 泪は感情の高揚以外に薬物的な刺激でも出る。誰しも玉葱を切る時には泪が出る場合も有る。催涙ガス等も有る。訓練すれば演技でも出る様に成るらしい。俳優の演技の見せところで有る。女性の泪には要注意で有る。







          2008−09−24−366−01−01−OSAKA



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