羹に懲りて膾を吹く

 熱い吸い物を飲んで火傷したのに懲りて、冷たい膾も吹いて冷まそうとする意味。蛇に噛まれて朽ち縄に怖じると云う諺も有る。外国語では火傷をした子供は火恐れると言う表現も有る。野生動物は火を恐れる、火傷の経験の有る無しとは関係無しに本能的に恐れる。恐怖が遺伝子に書き込まれているので有る。火傷の体験の無い子供は恐怖が欠落し火を弄んだりする。火遊びは危険で有る。
 人の進化において火の使用が大きな意味を持つ、火を恐れる野獣を遠ざける丈で無く、闇夜を照らし、暖を取る丈で無く、食生活に大変換を齎した。今まで堅くて食べられなかったものが食べられる様になったので有る。火は危険だが其の恩恵は計り知れ無い。老人の冷や水という諺が有る。冷水での沐浴の事かと思ったら生水を飲む事で有る。湯冷まを飲む丈で可也の病気が防げる事を意味する。
 昔は狂犬病が流行った時も有った。狂犬に噛まれたら人も感染する恐ろしい病気で有る。喉が渇き水を飲みたく成るが飲むと嚥下筋が麻痺し強い痛みを感じる為に、恐水症の別名も有る。
 日本は原子爆弾の世界に例を見ない唯一無二の被爆国でも有る。核戦争の恐ろしさを知る国でも有る。核兵器を根絶し、原子力の平和利用を進めるのが国の方針でも有った。火力発電丈では色々の問題が有る原料の確保が保障され無い、産油国の政治情勢の影響が大きい、為替レートの急変も有る、原料の高騰も起こる、将来的には化石燃料の枯渇問題も有る。炭酸ガスの大量放出に因る地球温暖化の環境問題も有る公害の原因でも有る。
 近年、超伝導コイルの技術が大きく進歩し、核融合炉の実験も大きく進んでは居るが実用炉の実現にはほど遠い。其れ迄は不本意でも今の原発を使って行くしか無いので有る。原発を使わ無いと原料のコスト高や炭酸ガスの放出で地球温暖化対策に逆行でも有る。電力不足での節電下では企業の海外進出を加速させ日本の空洞化を食い止められ無い。
 福島原発事故を見てしまった民衆の心は脱原発に向かっては居るのを利用して原発を政争の道具に使われて居る。定期点検がとっくに終わって居るのに再稼動の目処も立たずで有る。定期点検が済んだ原発が今稼働して居る原発より危険とする可笑しな道理が罷り通って居る。その道理が真なら今稼働して居る原発も直ぐに定期点検に入る必要の有る無しが疑問と成る。
 定期点検後の原発が何時までも再稼働させないと結局利用者は節電で不愉快な思いを続ける事と成る、燃料の原料コストがかかり電気料金の値上げが必須と成る。電力不足の為に韓国の様に大規模停電も起きかね無い。節電では企業のの海外進出も進む。生産計画の縮小で一時金闘争や春闘の賃上げ闘争も期待薄で有る。
 人の命は地球より重いので安全性の基準は測り難い、確率が問題で有る、限り無く零に近いのと零とは大違いで有る、宝籤の一等の当たる確立は極めて少ないが零では無い。籤を買わなかった人は零で有る。完全に安全と言い切れ無い事に多くの人は気がつかない、明日が来ない日が必ず訪れるので有る。本人の精進とは関係が無い。千年に一度の東北地方太平洋沖地震が起き、千年に一度の大津波が起きた。東電は8mを超える津波の可能性のシュミレーションデータを持って居ながら安全対策を怠っていた。電源喪失で炉心溶融が起きることもシュミレーションして置き乍三重、四重の電源対策もしなかった。事故は人災で有ったとも言える。未曾有の災害で済まされない部分で有る。
 東北地方太平洋沖地震は未曾有の大地震では有ったが、地震其のものの被害より津波に因る被害が主で有った。関西でも大きく揺れたが被害は大した事は無かったので有る。其の関西で節電要請が為されるのはオイルショックの時以来の異例の事で有る。夏の猛暑での電力需要の増大もあるが、定期点検がとっくに済んだ原発の再稼働の目処が立た無い。例年の通常の定期点検では地域住民の同意は要ら無いのだが。法律で強制的に定期点検を義務付けているのに、再稼働が法律で保証されて居無い。再稼働目前で突然ストレステストの実施を言い出した。稼働中でも出来る2次テストが終わら無いと安全の確認が出来無いとして際稼働を認めない住民も居る。地域住民は福島第一原発の事故に懲りて再稼働は認め無いし、知事も自分の任期中に事故が起きると再稼働を認めた自分の責任に成るので認めないで有ろう。年内に定期点検で停止する原発が既に有る。来年の春には全ての原発が止まる珍事が発生する。
 韓国で実際に電力需要が供給を超えての大規模停電が起きた。地震や津波や原発事故の影響を受け無かった隣国の話で有る。残暑が原因では有るが予告無しの為多くの人がエレベーターに閉じ込められた。製造中の製品が不適で多数出荷出来ずで有る。電力の安定供給も出来ぬ国からの海外進出に因る空洞化が今後は推進される。今後は燃料原料の確保も難しく成る、供給国の政変や戦争の危惧も有る、燃料原料の投機的な高騰も起こる。将来は化石燃料の枯渇問題も有る、炭酸ガスの大量放出での地球温暖化の問題も有る。休止中の火力発電炉の再稼働には時間と経費が掛かる。原発の再稼働が出来無いで止まって居る間の燃料コストの増加も莫大で有る。最後には電気代が騰がり、利用者が結局損を為る事に成る。
 東海地震が30年以内に起きる確立が高い。今年に起きる確率では無い。早急に防波堤の嵩上げや予備電源の確保等は必要で有るが、動かし乍でも出来る。原発を止めた為に燃料等のコスト高が莫大なものと成って居る。節電で電力売り上げが悪い為に、原発が稼働為無いと燃料税が原発地域に入ら無いが、定期点検で停止中でも課税出来る様に条例の変更を可決して仕舞った。





















            2009−08−24−432−01−01−OSAKA


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