母なる者

 大地は人々に多くの恵みを与えます。農業も其の恵みを大い受けて居ます。近年、健康の為にと、無農薬食品が見直されて来て居ます。健康には確かに良いが、無農薬の為虫食いが多く、食材の見てくれが良く有りません、其れに蜘蛛等の虫を食べる益虫も多く、気の弱い人には余御勧め出来ません、一寸大変です。其の無農薬農園で採れた新鮮な食材を使っての料理を食べさして呉れる御店も多く成りました。周りを農園で囲まれた御店での食事は、毎日仕事に追われの忙しい都会暮らしの人にとって、子供の頃の古里を思い出させ懐かしい思いが致します。唯、そう言った御店は交通の便が悪いのが欠点では有る。結局駅からタクシーを利用する羽目に成りますが。バスが通って居る場合も有りますが。
 会社の秋のレクレーションで行った御店もその様な御店の一つで在った。田圃が在り、水田が在り、藁が有り、池が在り、鯉が泳ぎ、えびがにが居て、蓮池が在り、兎が居て、驢馬が居て、柿の木が在り、葡萄の木が在り、蜜柑の樹が在り、ぐみの樹が在り、すももの樹が在り、山桃の樹が在り、竹林が在り、花が植わり、花が咲き、さつまいもが植わり、小鳥が鳴き・・・。
 食事の他に季節に合わせて、葡萄、柿、さつまいも、蜜柑等を狩ったりも出来き、一定量が貰えます。其を超えると割り益し料金が要りますが。スーパー等で売られて居る、見てくればかりが良い物とは一寸違いますが、要は美味しかったら良いので有る。私は滅多にしない柿狩りをさせて貰いました。見てくれの良い物ばかりをつい選んでしまうのも不思議で有った。
 蜘蛛が居て、足で踏み潰すそうとした他所の子に。                       「これ、何て事するの」叱りつけた。怖い小母ちゃんも居たもので有る。
 食事は、無農薬農園内で栽培・収穫した季節の野菜・山菜・果物等が中心とした農園料理で有る。
 周りを静かな農園に囲まれた御店での食事は心も落ち着き良い物では有るが、私の印象に残ったのは、会社のレクレーションの一環の偶々集まった他所の子の面倒を団栗の駒や飛蝗等で未だ結婚もした事の無い、子供を育てた経験も無い、未婚の女性が良く面倒を観て居るのを観る事が出来た事で有る。
 未婚の女性にも本能的な母性が宿って居ると言う事実で有る。日頃の仕事の中では決して垣間見る事の無い光景では有る。結婚をしない女性は子供嫌いの冷たい女と思いがちですが、全ての女性に母性本能が宿って居る様です。会社のレクレーションでは有るが思わぬ親睦が深まった様に思えました。女性はやはり子供と遊んであげて居る時が一番です。柿も狩れたし、美味しい料理も頂いたし、御土産も沢山買えたし、参加した甲斐が有りました。色々と御苦労を掛けた幹事の方には此の場で御礼を申し上げます。
 昔、本能の命じる儘の女と結婚したいと思った男が居ました。理性でそろばんを弾いてで無く、本能が判断を間違える筈も無いと思ったので有る。女も其の気に成ったのか「一戸建ての家を買ったら結婚してあげる」と皆が聞いて居る職場で何を思ってか言ったので有る。本能は間違って無かったが、家を買うかいしょの無い男は何もしなかったので有る。一生結婚も出来無い人生は余に悲惨で有る。命を遣っても惜しくない程の良い女が三十五年も同じ会社に未婚で未だ居乍ら。不甲斐無い男で有った。
 現代社会は能力主義に陥り、母なる者の心を見失うてしまって居ます。五十五歳に成って、給料が二割も減らされ唖然とした人も多い。仕事量は五十五歳の儘か其以上で有るのに。定年退職真近に成って突然配転を言い出す企業も有る。三十五年の永年勤続の褒章の直前に成って、突然廃止してしまった企業も有る。(或る特定の企業を指して居る物では有りません)嫌がらせで有ろうか。そんな企業で在るても、定年退職に成って生き甲斐を失って急に呆けてしまう人も多いとか。
 子供の頃、襁褓を替えて呉れた若くて素敵だった母親も歳を取り、暈けだすと、人は人生の過酷を感じますが、そんな母でも居無いよりはましなのも又事実では有るが。
 世の中には色々な宗派が有り、色々な神々が存在する事は誰しもが認める所では有るが、神々の中の唯一の神、絶対無二の神丈を信じる人も居ます。唯一無二の絶対の神が人殺しを命じたと言って、犯罪を犯す人も居ます。人殺しを許す神等此の世に居るので有ろうか。可愛い我が子の生贄を求める神等居る筈も無い。 我が命まで犠牲にしてまで自爆テロを許す神とはどの様な神なのだろうか。自縛テロが後を立た無い現実。其処まで恨みを買って居る、他国の侵略行為にも問題は有るが。間違った宗教感が犯罪を誘発して居る様に思える。何故人々は、居るか居無いかも分から無い、神の声に耳を傾けるので有ろうか。騙されて居るので有る。人殺しを許す神等居る筈も無い。人々はもっと母なる者の心に目を向けるべきで有る。
 母性本能こそ生命の根本で有る。本能こそ神々の声より正しい筈。母なる者の声を神の声と思い。正しい人生を歩むべきで有る。母や妻、我が子を見捨てて、自爆テロに走って何が得られると言うので有ろうか。
  世の中には、悪い事を、悪い事と知らずに悪い事をしてしまう人も居ます。悪い事を、悪い事と知り 乍、悪い事を行う人も居ます。悪い事を、良い事だと信じて、悪い事を行う人も居ます。
 最近日本国憲法の改悪を目論んで居る政治家が多い。悪い事を良い事だと信じて、悪い事を行うタイプの政治家達です。母なる者の声を聞か無いと、思わぬ間違いを犯す事に成ります。第九条が廃止されると再び戦争への足音が聞こえて来そうです。特に若い母親は我が子を再び戦場に送り出さ無い為にも、憲法改悪には断固反対しましょう
「母なる者は、心の太陽で有る」と会社のレクレーションの会食の中の他人家族の親睦の垣間で不図思 った他愛無い事の一つでした。


              2005−10−29−72−OSAKA



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