日本語の言霊



 火猫の文句百垂れは余にも有名な諺で有る。日頃もの静かな猫も、火炙りに成ると、文句を垂れる、原語の発達の根源を観るお思いがする。
 竃が無くなって久しい昨今、雪夜の晩は、灰猫も竃撰びで大童、アッチの竃で頭を張られ、コッチの竃で尻を叩かれで有る。
 犬は棒の恐怖を子孫に残すのに、何千年も掛かって居る。漢字は子孫に遺せる文字で有る。唐の時代の漢字の意味は分かるが、発音が判ら無い。現代の北京語と同じとは限らない。今の中国語の漢字は簡体字で可成り簡略化されて仕舞って居る。其の為、中国人の多くは唐の時代の漢書がもう読め無い。されど、日本の漢字は唐の時代の発音が多い。日本に入って来た時代の儘、受け継いで来た。台湾語は繁体字で唐の時代の漢字に近い。広東語は日本語に近い、唐の時代の影響が今に鋸ッて居る。
 日本語の常用漢字は中国語の簡体字と台湾語の繁体字の中間に位置する優れもの、日本語の常用漢字に合わせるメッリトは大きいい。