御痱り女房



 「お風呂の用意が出来ました、冷めぬ内に早めにお入り下さい」
 「今は忙しい、仕事の切りが着か無い、其方が先に入りなさい」
 「女の身体は不浄です、先に入る訳には」
 「そんな事、世間の女に効かれた大変ぞ」
 「明日は待望の休日、今宵は至福の時を御過ごしあれ、お背中を御流し致します」
 「お前の病気は死なぬと治らぬのか?」
 「病気だなんて、花が香蜜で蝶や蜜蜂お誘うのは、大自然の摂理ではないですか」
 「果実が甘い果肉の匂いで、東洋の黄色い猿を誘うのも、大自然の摂理か?
 「旦那様は男なのに、女を孕ませたい欲情は湧か無いのですか」
 「子宝を授かる為に、湯女迄務めるのか?」
 「